みなさんこんにちは!
まつがくでは生徒の皆さんへの進路指導のために、随時、高校の先生にお時間をいただき、お話を伺っています。
今回は長野市、文化学園長野高等学校にお伺いしてきましたので、その内容をご報告します。
日にち:2018年11月21日(水)
お話をしてくださった方:文化学園長野高等学校教務主任 倉島先生
インタビュアー:松本
【入試について】
Q:入試日程がS・A・Bの3種(※1)ありますが、例えばS日程で不合格だった場合、A・B日程の合否判定に影響はありますか?
A:それは全くありません。
今回から願書にSやAで受験したときの受験番号の記入欄を設けたことが影響しているのか、保護者の方からもそのような質問をいただいていますが、これはあくまでも事務作業の効率化のためであり、他意はありません。
※1:共学部はS・A・Bの3日程、女子部はA・Bの2日程があり、それぞれ内容が異なります。詳細はこちらをご参照ください
https://bgh.gakuen-nagano.ac.jp/preparation/examin_high/
Q:親や兄弟が在校生、卒業生だと入試で優遇措置がありますか?
A:ありません。ただし入学金は半額になります。
Q:最近の受験生の傾向はいかがですか?
A:少しずつですが専願生が増えています。
共学部の受験者数は2017年度入試で一度減りましたが、その後はまた回復しました。
女子部については以前からあまり変わりません。
現在(2018年11月)の共学部の生徒数は、1年生、2年生がそれぞれ110名(うち中高一貫生30名)、3年生が30名です。
Q:特別進学コースに合格後、特別選抜コースも受験できますか?
A:S日程やA日程で特別進学コースに合格した生徒がA、またはB日程で特別選抜コースを受験することは可能です。
その場合、仮に不合格になっても特別進学コースには入学できます。ただし入学後のコース変更はできません。
【授業について】
Q:英語のスピーキングへの対応はどのようにしていますか?
A:フィリピンとネットで繋ぎ、英会話の練習ができるシステムを導入しました。
また国際理解の一環として、昨年から修学旅行の行き先をロンドンにしました。
英検については共学部は2級、女子部は準2級取得を目指しています。
英語の授業内でも英検対策を行っています。
今後GTEC(※2)も推奨するかもしれません。
※2:英語運用能力を技能別に絶対評価で測定する検定。「読む・聞く・書く・話す」の4技能を測定できる。
Q:ジグソー法(※3)導入の成果はいかがですか?
A:生徒が3人ずつ組になり、ひとつのテーマについて考え発表し、全体でひとつの発表にまとめる作業を行うことで、主体性、協調性を養うことが目的です。
生徒だけでなく教員側もやっていて楽しいですね。
導入して3年目になりますが、生徒のコミュニケーション力とプレゼン力は確実に上がりました。
特に女子部は9割が推薦入試、AО入試で受験をしますが、そこでは確実に有利に働いていると思います。
※2:協同学習を促すために編み出された方法。1つの長い文章を3つの部分に切り、それぞれを3人グループの1人ずつが受け持って勉強する。それを持ち寄って互いに自分が勉強したところを紹介しあい、ジグソーパズルを解くように全体像を協力して浮かび上がらせる手法。
Q:2017年度にユネスコスクール(※4)に加盟されましたが、その後何か変化はありましたか?
A:ボランティア活動が活発になり、生徒が自発的に動いてくれるようになりました。
また海外にも目を向けてくれるようになりました。
ロンドンへの研修旅行の準備として高校入学後すぐに「1人1研究」を始めるのですが、これは予め生徒に国際的なテーマを与えた上で1年間かけて勉強、1年次の最後にグループ発表、2年次からは個人で更に研究を深め、最終的に修学旅行後に全員で発表するというものです。
これらを通して国際理解を深めています。
※4:世界の学校と交流し、生徒間・教師間で情報や体験を分かち合い、共に未来を考え合うネットワーク
Q:IT関連ツールはどのように取り入れていますか?
A:3年生はスタディーサポート、1・2年生はスタディーサプリを導入しています。
Q:キャリア教育についてはどのように取り組んでいますか?
A:看護コースや保育コースでは実習体験や、看護師、助産師を学校に招いての講演会などを多く行っています。
共学部では大学の先生に講演をしていただいています。
Q:通学にかかる費用を教えてください。
A:入学金が約22万円、制服とコート代が約15万円、指導料が年間で約41万円、その他に修学旅行の積立金が毎月約1万円(1・2年生のみ)で、3年間トータルだとおよそ180万円くらいです。
【卒業後の進路について】
Q:近年の進学実績について教えてください。
A:国公立への進学は2017年度が9名、2018年度は20名(※5)です。国立への進学先内訳はこの2年間で信大2名、新潟・富山・山形・香川・千葉・大分・福井・学芸大が各1名です。
女子部の看護コースと保育コース、総合進学コースはほとんどの生徒が専門学校に進学し、就職は毎年2名くらい。
保育コースは生徒の多くが系列校へ進学します。
共学部については設立して間もないため、まだ推薦の指定校枠が充実しているとは言えません。
その為、多くの生徒は公募推薦入試→AО入試→一般入試という順番で受験します。
※5:長野大や諏訪理科大が公立になったことも影響しています
【女子部について】
Q:コース決定はいつ行いますか?
A:高2進級時に希望調査により決めます。決定後のコース変更はできません。
Q:文系進学コースの進路状況はいかがですか?
A:推薦入試や公募入試での受験が多いですが、昨年は長野大、長野県立大、都留文科大などへの合格者が出ました。大学進学がメインになってきています。
【その他】
Q:共学部の部活動はどのようになっていますか?
A:共学部だから入れないという部はありません。ただし、授業が7時間目まであるので、部活に遅れて参加することにはなります。
また学業優先のため、勉強合宿などは部活より優先されます。
ちなみに2017年に新しくサッカー部ができました。また吹奏楽は女子部と共同でやっています。
Q:生徒は主にどの地域から通学していますか?
A:ほとんど北信地区からです。
Q:学校内でいじめはありますか?
A:学校全体でフォロー体制をとっていますので、ほとんどありません。
Q:今後の方針はどのようにお考えですか?
A::ジグソー法とユネスコスクールを2本の柱とし、生きる力を育む教育に力を入れたいと考えています。
私立高校ならではの、生徒ひとりひとりの希望に沿ったきめ細かい指導も引き続き行っていきたいですね。
【まとめ】
倉島先生がインタビュー内でもおっしゃっているように、学習にジグソー法を取り入れている点、ユネスコスクールに加盟している点がこの学校の大きな特長と言えるかと思います。
倉島先生、お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました!
文化学園長野高等学校公式サイト https://bgh.gakuen-nagano.ac.jp/
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