こんにちは、超個別指導塾まつがく 上里教室の松尾です。
さて、埼玉県では公立高校の願書出願が終わり、いよいよ学力試験を残すのみ(学校により実技試験や面接はありますが)となりました。
入試直前の今、ラストスパートをかけている受験生のために、各教科の傾向を考察してみたいと思います。
最後の最後、何をやればいいのか。
参考にしていただければと思います。
また、中学2年生以下の皆さんは「今後何を意識して勉強に取り組めば良いのか」を考えるきっかけにしていただければ幸いです。
数学全体の出題傾向
第2回目の今日は「数学」です。
平成30年度入試から「学力検査問題」と「学校選択問題」を高校によって選ぶことができるようになりました。
「学校選択問題」は、主に「上位校」と呼ばれる高校で採用されています。
県北エリアだと、熊谷高校・熊谷女子高校・熊谷西高校で採用されています。
それ以外の高校は「学力検査問題」です。
まずは学力検査問題から見ていきましょう。
1.小問集合
2.図形(作図・証明)
3.図形の利用
4.関数の利用
大問4つ、という構成は変わりませんが、昨年から大問1の配点が大きくなりました。
これまで大問2に含まれていた問題が大問1に移動した、という表現が正しいかもしれません。
大問別出題傾向
1. 小問集合
令和2年度学力検査の配点:65点
例年50点前後であった大問1が、昨年から65点と大幅に配点を増やしました。
これまで大問2に含まれていた「資料の活用」「確率」「空間図形」が大問1に移動しています。
具体的な変更は以下の通り。
基本計算28点→32点
関数の基本9点→8点
図形4点→12点
資料の活用・確率0点→8点
説明を伴う問題10点→5点
基本計算が1題増えたこと、これまで大問2にあった図形、資料の活用、確率が大問1に移動したことが大きな変更点と言えます。
また、説明を伴う問題はこれまで文字式や方程式を使った説明が大半でしたが、資料の活用からの説明が求められました。
これは来年以降も続くのか、それともいろいろな単元の説明が求められるのか、今年度の出題に注目です。
今年度の受験生は文字式や方程式、資料の活用での説明を準備しておくことをオススメします。
基本問題が多いだけあり、ほとんどの問題が正答率70%以上となっています。
最も低い説明を伴う問題でも56%となっているため、学力検査問題を採用している高校で上位校(県北エリアでは本庄高校など)を目指す生徒は、ここは満点近くを狙いたいところです。
2. 図形(作図・証明)
令和2年度学力検査の配点:11点
上記でも触れましたが、これまで大問2に含まれていた問題が大問1へ移動したため、配点が大きく減っています。(前年度配点:22点)
(1)では、作図が出題されています。
これまでは間接的な言い回し(前年度は105°となる半直線の作図=角の二等分線+正三角形の作図)でしたが、直接的な作図指示に変わっており、問題は易化しています。(正答率21%→63%)
(2)の合同の証明も、教科書やワークによく出てくる直角三角形の合同の証明であったため問題自体は簡単でしたが、完全記述形式であったためか完答できた生徒は20%にとどまりました。
それでも前年は10%ですから、こちらも易化していると考えて良いでしょう。
ただし高校入試には「揺り戻しの法則」というものがあります。
前年難しいと今年は簡単、またはその逆、と揺り戻されることがあるため、大問1に続いて今年の出題も注視する必要があります。
今年度の受験生の皆さんは、両備えで臨んでください。
3 .図形の利用
令和2年度学力検査の配点:9点
前年度は関数の利用でしたが、令和2年度は図形の利用となりました。
(1)では、相似の性質を用い、電柱の高さを求める問題でしたね。
令和3年度では、この単元は出題範囲から除かれているため、新たな形式で出題されます。
ここは比較的解きやすい問題であったため、正答率も60%と高くなっています。
確実に得点したい問題です。
(2)では、二等辺三角形や直角三角形の性質と三平方の定理を利用する問題でした。
説明も必要となるため、正答率が20%以下と難しくなっています。
ただし、基本的な性質や定理を組み合わせる問題であるため、部分点を取ることが可能な問題です。
完全な正解が難しくても、諦めずに回答することが重要と言えるでしょう。
こちらも令和3年度入試では、出題範囲から除かれた単元となっているため、新たな形式での出題が予想されます。
4 .関数の利用
令和2年度学力検査の配点:15点
苦手意識を持つ生徒が多い「関数」が最終問題でした。
問題を見た瞬間に嫌になってしまう生徒さんが多い単元ではありますが、詳しく見ていくと全くできない問題ではありません。
こちらもできるところを確実に得点していくことが重要です。
(1)は2点を通る直線の式を求める問題でした。
2点の座標が与えられているため、それほど難問というわけではありませんが正答率は56%、無答率が18%となっています。
関数の基本をしっかりと復習しておきましょう。
(2)は、関数上の動点問題でした。
この手の問題は、苦手意識を持つ生徒が非常に多いことが特徴です。
「動点の座標を文字を使って表す」ということが難しいようです。
①では、座標を文字で表したときに、辺の長さを式で表し、説明することができるか、という表現力を問う問題となりました。
「座標を文字で表す」「辺の長さを文字式で表す」「文字式が等しいことを使って二次方程式を解く」という3段階が難しく感じられたようです。正答率は5%、無答率は64%という難問でした。
②はさらに三角形の面積比が加わり、より難しく感じられます。
辺の位置による場合分けなど、限られた時間内で解き切ることは難しかったかもしれません。
正答率は6%、無答率は68%と最も難しい問題でした。
最後に
以上、埼玉県公立高校入試【数学(学力検査問題)】の出題傾向の考察でした。
入試までの残り期間で確実に得点力を伸ばすためには「大問1」「大問2」をオススメします。
また大問3・4も(1)だけは正解しやすい問題がありますので、全てを捨ててしまうのではなく「得点できる問題で確実に得点をする」という意識を持って勉強してください。
次回は「数学(学校選択問題)」を考察します。お楽しみに。
【こちらの記事もおすすめです】
atama+(アタマプラス)、入ってます。【超個別指導塾まつがく】
数学:埼玉県公立高校入試出題傾向:学校選択問題編【埼玉県受験情報2021】