こんにちは。
超個別指導塾まつがくの円山です。
この記事では新潟大学医学部医学科について、学部学科情報や受験情報、合格するために必要な学力などをお話しします。
↓の動画の補足情報もあります。
※概要はこちらの動画もぜひご覧になってください!
目次
この記事は8分程度で読み終えることができます。
大学情報・学部情報
所在地
新潟大学医学部は旭町キャンパスにあります。
旭町キャンパスは複数の高校や付属小学校がある「学校町通」に位置し、周辺には新潟市役所、古町商店街、白山神社、りゅーとぴあ、などがあります。
歯学部の学生は1年次は五十嵐キャンパスで教養科目を履修し、2年次以降は旭町キャンパスで専門科目を学びます。
キャンパスの移動はありますが電車一本で行き来できるので利便性は高いです。
学科
新潟大学医学部には以下の2つの学科があります。
◎医学科
医師を目指す学生が集まります。
6年制で、卒業後に医師国家試験に合格することで医師免許を取得できます。
◎保健学科
保健学科は以下の通り、専攻が3つあります。
・看護学専攻
・放射線技術科学専攻
・検査技術科学専攻
保健学科の詳細については別の記事でご紹介します。
進路情報
新潟大学医学部医学科の学生は、卒業後ほぼ全員が医師になるための初期研修(2年間)に進みます。
「ほぼ」全員というのは、医師国家試験に合格できないと先に進めないからですね。
この表は新潟大学医学部医学科の医師国家試験合格率です。
合格率は90%以上で、全国平均を上回る年が多いです。
試験は簡単ではありませんが、入学時点で優秀な学生が集まっているので真面目に勉学に励み続けていけば大部分は問題なく合格できるでしょう。
国家試験で不合格になった場合、予備校に通うなどして1年後にもう一度受験することになります。ポイントは「医師として医療現場に携わりたいという強い志」です。
初期研修が終わると、病院に勤務する、専門医になるために後期研修に参加する、研究医を目指して大学院へ進学するなど、それぞれのキャリア形成のための選択肢があります。
試験科目・配点
医学部医学科の募集人員は以下の通りです。
定員127人中、47人が推薦枠での募集です。
推薦が入学者の3割以上を占めるので、積極的に利用したいですね。
また、推薦にも一般枠と地域枠の2種類があります。
一般枠…一般の推薦
地域枠…入学後、月15万円の奨学金が出る推薦。奨学金は卒業後9年間以上新潟県の指定病院で勤務することで返済不要になる。
この地域枠は活用できれば非常に有効な制度です。
最後に詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
学校推薦型選抜
共通テストの成績と面接の結果・出願書類を総合して行います。
面接は段階評価ですが、面接の評価によっては大学入学共通テストの成績に関わらず不合格となることがあります。医師として必要な高い倫理観をもって臨みましょう。
【一般枠】と【地域枠】の併願が可能ですが、どちらを優先するかは出願時に選択するので気をつけましょう。
共通テストの科目選択は一般的な理系科目です。
地学が選択できない点は要注意ですね。
また、国語と地歴公民は配点が半分になるところも注意が必要です。
半分になるとはいえ、後述しますが必要とされる得点率が高いので捨てることはできません。最低限8割は押さえておきたいですね。
逆に英語・数学・理科は配点が高く、高得点が必須です。
特に1・2年生は早い段階で英数9割を達成しましょう。勝負はそこから始まります。
一般選抜(前期日程)※後期日程はありません
共通テストの科目選択・配点は推薦選抜と同じです。
一般的な理系科目(地学は選択不可)+国語・地歴公民は配点が半分ですね。
個別試験は英語・数学・理科が400点ずつの配点です。
英語はリスニングなし。
数学はIA・IIB・IIIが必須。
理科は物理・化学・生物から2つ選択です。
また、面接があってこちらは2段階評価です。
面接の評価によっては成績に関わらず不合格になる場合があるので、医師として必要な高い倫理観をもって臨みましょう。
共通テストが合計750点、個別試験が合計1200点なので5:8の比率で個別試験重視と言えます。
そのため共通テストが低くても個別試験で逆転できるかも?思う人もいるかもしれませんが、倍率が4倍を超える場合は2段階選抜が行われるので、基準に満たない場合は共通テストのみで不合格になります。
科目ごとで見ると、全体の1950点中で英語・数学・理科が600点ずつの計1800点を占めています。
この中で1教科でも点数が取れない科目があるとかなり厳しい戦いになります。
個別試験対策も早い段階から始めていきたいですね。
合格への戦略
医学科の入試状況・倍率
2020年は推薦型選抜が2.7倍、一般選抜が3.7倍と低い数値になっていました。
※それ以前の3年では一般選抜が4.3~6.0倍で推移しています。
合格者平均点・最高点
一般選抜(前期日程)ではセンター試験で86.1%が合格者平均点です。
個別学力検査では64.2%なので、個別試験での点数の取りにくさが読み取れます。
また、最高点と平均点の差はセンター試験で47.5点、個別学力検査で140.8点ですので、センター試験は取れて当然、本番は個別試験と言えるくらいの準備が必要です。
記述が得意な生徒は個別試験での逆転も可能かもしれません。
※ただし2段階選抜があるので、共通テストで最低8割弱は取る必要があるでしょう。
令和2年度入試では、志願者344名ー受験者274名=70名が第一段階で落とされています。
河合塾発表のデータでは第一段階のボーダーラインは75~76%程度なので十分に準備してきた生徒であればそこまで心配する必要はないかもしれません。
学校推薦型選抜では合格者平均点、最高点ともに一般選抜より高得点になっています。
センター試験88.6%が合格者平均なので、安定して9割とれることを目標に勉強を進めましょう。
このレベルの点数を取るためには、配点が低いからと言って国語や地歴公民を切り捨てることはできませんね。
偏差値 / 目標とする学年順位
新潟大学の中でもやはり医学部は別格ですね。
上の表は各高校の進学実績から大まかに計算したものです。
やはり進学校の中でも上位をキープし続けていないと医学科は難しいですね。
早い段階から目標をもって、高校選びでも少しでも上を狙っていくことが重要です。
推薦選抜の地域枠について
入学後、毎月15万円の奨学金を受け取れる推薦選抜の「地域枠」。
とても魅力的なこの制度について、もう少し詳しくお話しします。
対象となる生徒
地域枠27人中、22人は新潟県内高校の卒業生が対象です。
他の5人は県外高校の卒業生も対象になります。これは令和3年度から増設されました。
県外出身の生徒でも受験可能なのは珍しいですね。
金額について
月15万円の奨学金は、1年間で180万円、6年間で1,080万円になります。
大学生の生活費としては十分な額ですので、金銭面に不安がある学生も努力次第で医師への道が開けます。
ただし新潟大学の学費は年間535,800円(+入学金282,000円)で、6年間で約350万円になります。これは当然、納めなければいけません。
※私立大学だと6年間で2,000万円~4,000万円程度かかるので、国公立大学は破格の安さともいえます。
差し引きして、730万円をもらって医師免許が取れるということですね。
※ちなみにこのお金は新潟県の予算から出ています。
1,080万円×27人=2億9160万円の予算を新潟県の税収等から出しているので、みなさん入学後はぜひ新潟県の医療の向上に努めてください。
返還の免除要件
・卒業後2年以内に医師免許を取得すること
・卒業後に臨床研修を含めて9年間新潟県の指定医療機関で働くこと
・指定医療機関は原則として医師不足地域の病院
一言でいえば、「最短でも33歳まで新潟県内の田舎の病院で働くこと」です。
キャリア形成に必要な後期研修などは参加可能ですのでそこはご安心ください。
また、出産や海外研修で勤務できなくなる場合は義務年限を停止することも可能です。(その分だけ終わりが遅くなります)
※個人の理由で上記の義務が果たせない場合は、その時点までで給付された全額を1ヶ月以内に年10%の利子をつけて返還すること、期限内に返還できなければ14.5%の延滞利息を含めて返済することがルールになっています。
みなさん事故などには気をつけましょう。。
おわりに
新潟大学医学部医学科の受験についてお話しました。
医師と言うと勉強が難しく、その分だけお金持ちで社会的にも高いステータスをもっているイメージがあると思います。実際にそういう場合も多いでしょう。
ですが、そもそもは人の命をあずかるとても重要な仕事です。
「自分はどんな医師になりたいのか」「医師になって何がしたいのか」という問いかけを自分にすることで、より強い志をもって進路を実現していきましょう。
受験を考えている皆さんの参考になれば嬉しいです。
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