みなさんこんにちは!
まつがくでは生徒の皆さんへの進路指導のために、随時、高校の先生にお時間をいただき、お話を伺っています。
今回は長野市の長野日大高校へお伺いしてきましたので、その内容をご報告します。
日にち:2018年10月19日(金)
お話をしてくださった方:進路指導部長 藤巻先生
インタビュアー:松本・會津
Q:長野日大高校(中学)として、入学してほしい生徒像はどんなものですか?
A:まずは学力のしっかりしている生徒ですね。特に計算や漢字の知識がしっかり身についていること。
あとは自学自習を嫌がらず、主体性、能動性を持った生徒です。
Q:入試において、在校生や卒業生の子弟は有利ですか?
A:それは全くありません。合否は純粋に成績で決めています。
通知表の内容もほぼ関係ありませんが、欠席日数は見ますね。
Q:高校の進学クラスと選抜クラスはどのように分けていますか?
A:入学時に希望を募って、希望者が多い場合は選抜クラスを増やしています。
また高2進級時にクラス替えがありますが、その時にもどちらに行きたいか選択してもらいます。
選抜クラスから進学クラスへの変更は希望通りできますが、その逆はテストの結果次第では不可になる場合もあります。
Q:選抜クラスは選択できる部活に制限がありますか?
A:ありません。ただ、選抜クラスは模試や勉強合宿が多いので、それと日程が被る場合は部活には参加できません。
Q:授業の進度が速いと聞きましたが、実際はどうですか?
A:決して速くはないです。授業数が多いのでそう感じるのかもしれませんね。ただ演習は多いです。
Q:授業についていけない生徒へのフォローはどのようにしていますか?
A:できるだけ演習を多くして、授業中にフォローするようにしています。
あと、スタディーサプリ(※1)を活用して、放課後にも補習をしています。
※1:インターネットで動画授業を視聴できるサービス
Q:今年(2018年)の高1生から授業にiPadを導入されていますが、その成果はいかがですか?
A:生徒のプレゼン力が格段にアップしました。
例えば校外学習の行き先を生徒のプレゼンで決める際、データや資料を全員で閲覧し、そこに感想のアップ、投票などをしていますが、時間差なく全員の発表やコメントが見られるのでとても楽になりました。
来年の修学旅行の自由行動の行き先も、このスタイルのプレゼンと投票で決めようと考えています。
また、宿題の提出や返却も全てiPad上で行えるので、ペーパーレスになり、作業効率が大幅に上がりました。
生徒の業績が全てデータとして残るので、eポートフォリオ(※2)にも役に立ちます。
授業では電子黒板のデータを直接生徒のiPadに送り、生徒もそこに記入します。
生徒全員の状況を講師が一目で確認できるので、授業中に居眠りをする生徒がいなくなりました(笑)
導入してから、特に成績不振だった生徒の成績が上がった感触があります。
全体の学力の底上げにとても役立っています。
少し話は逸れますが、学校からのお知らせや生徒の模試の成績なども保護者に直接データでお送りしています。
今までは学校→生徒→保護者だったのが、保護者に直接届くようになり、ご好評をいただいています。
※2:学生の「学び」の記録を電子化し、教員と共有することで進学や就職に活用するシステム
Q:宿題はどのくらい出していますか?達成率はどのくらいですか?
A:中学生はドリル的なものが多いです。
基本の演習は授業ではなく宿題で、と考えています。
以前は終えるのに3時間以上かかる量を出していましたが、現在は原則2時間を越えないようにしています。
やり切れない生徒が多く出たり、やっつけ仕事になってしまっては意味がありませんので、量より質と考えています。
理社はレポートの宿題が多いですね。
中1ですとまだやり切れない生徒がいますが、中3になると力がついて、ほとんどの生徒がやり切れるようになります。
逆に高校生は部活など、その生徒の置かれている環境により宿題の達成状況が異なるので、なるべく宿題に頼らず「授業内で完結する」ように心がけています。
Q:英語の授業についての方針をお聞かせください。
A:高1から全員に英検とGTEC(※3)を受けてもらいます。
目標は全員がCEFR(※4)のA2レベルに到達すること。
英検であれば準2級合格レベルです。
その他、スピーキング対策としてベネッセのオンラインスピーキングを導入予定です。
ただし、スピーキングのテストは行いません。
現段階では採点の公平性に不安があるためです。
※3:英語運用能力を技能別に絶対評価で測定する検定。「読む・聞く・書く・話す」の4技能を測定できる。
※4:CEFR(セファール)語学力のレベルを示す国際標準規格。
Q:長野日大高校から日本大学へ進学する生徒さんはどのくらいですか?また進学するための条件は何ですか?
A:高2の4月、あと高3の4月と9月に「基礎学力選抜テスト」を行い、その偏差値の合計を基に選抜します。
例年100名くらいがこの方式で日本大学に進学します。
それとは別に20名程度の「指定校推薦枠」もありますので、合計120名ほどですね。
クラスの3人に1人くらいが日本大学に進学する計算です。
それとは別に、いわゆるMARCHへの指定校推薦枠もあります。
Q:これから重点的に取り組みたいことは何ですか?
A:キャリア教育ですね。毎年「サタデープロジェクト」というのを実施しています。
これは日本大学の各学部の研究室を招いて最先端の学問を見てもらう、出張授業のようなものです。
全部で18学部ありますので、それに合わせて年18回実施しています。
これを更に充実させたいですね。
また、来年は創立60周年のイベントとして、このサタデープロジェクトを一般公開できればいいなと考えています。
あとは更なるITの活用です。
今までは指導の質についてはどうしても講師のスキルに頼りがちでしたが、プリントやデータ、生徒の学習状況などをすべて共有化、見える化することで、指導の均質化が図れます。
外部に対するeポートフォリオの蓄積にも力を入れたい。
また、長期休み中の学習管理もスタディーサプリで行えるようにしたいですね。
【感想】
当たり前と言えば当たり前ですが、将来日本大学に進学したい方には間違いなくおすすめです。
また、ITにかなり力を入れている印象を受けました。
それを授業の質の向上だけでなく、生徒の学習状況の管理、進路指導や家庭とのコミュニケーションにも活用されています。
自分一人だけだとついさぼってしまうという生徒さんにはいい環境ですね。
藤巻先生、お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました!
参考:長野日大高校公式サイトhttp://www.nagano-nichidai.ed.jp/
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