(注)この記事は2020年11月時点でのものです
こんにちは!
超個別指導塾まつがくの松本です。
さて、2021年度長野県公立高校入試について、10/30(金)に第1回志願者予定数調査の結果が発表されました。
今回はそれについて考察を述べたいと思います。
入試倍率3つの法則
入試倍率には主にこのような法則があります。
隔年の法則・・・倍率が高かった次の年は低くなり、低かった次の年は高くなる傾向がある
統合の法則・・・高校再編に名前が挙がった高校は倍率が下がる傾向がある
都市部の法則・・・都市部の学校は倍率が高くなる傾向がある
これらの点を踏まえ、通学区別に傾向をまとめます。
第一通学区
★2020年度と比べ、志願者予定数が10名以上増えている高校
須坂創成高校農業科(前期+19名、後期+27名)
長野吉田高校(後期+26名)
今年は農業科が人気です。
農業科は全体的に志願予定者が増えていますが、須坂創成高校も同様です。
昨年度の後期倍率が0.95倍だったので、それも志願者数アップの理由かと思われます。(隔年の法則)
長野吉田高校は毎年高倍率になります。
昨年度は1.08倍でしたが、今年度はさらに高倍率になることが予想されます。
また、近年の安定志向の高まりと共に、長野高校の志願者数が減少傾向にあります。
以前なら長野高校を受けたレベルの生徒が長野吉田へ流れているのが見て取れます。
(長野高校の倍率は昨年度と同様、今年も1.02~1.04倍くらいになりそうです)
「都会の法則」ですね。
★2020年度と比べ、志願者予定数が20名人以上減っている高校
中野西高校(前期-7名 後期-20名)
須坂東高校(前期-21名 後期-48名)
須坂高校(後期-28名)
長野西高校普通科(後期-21名)
長野商業高校(前期-25名 後期-25名)
長野工業高校全科(前期-56名 後期-49名)
篠ノ井高校(後期-21名)
更科農業高校(前期-35名 後期-49名)
屋代高校普通科(後期-27名)
この中で須坂(1.07)、長野西(1.22)、篠ノ井(1.05)、更科農(1.06)、屋代(1.08)は昨年度の高倍率が原因で下がったのだと思います。※カッコ内は昨年度後期倍率
前年度の倍率が高いとどうしても皆さん慎重になりますからね。(隔年の法則)
中野西や須坂東は高校再編での統合話が影響したと思われます。(統合の法則)
もしかしたら近い将来母校がなくなるかもしれないと考えると、出願に二の足を踏む気持ちも理解できます。
長野商業が減少した理由は現時点でわかりません。
ただし、長野西が高倍率になる可能性が高く、その影響で今後長野西高から長野商業へ志望変更する生徒は多そうです。
第二通学区
★2020年度と比べ志願者予定数が10名以上増えている高校
小諸商業高校(前期+17名 後期-5名)
佐久平総合技術高校農業科(前期+13名 後期+9名)
佐久平総合技術高校創造実践科(前期+13名 後期+21名)
岩村田高校(後期+34名)
これは昨年度の後期選抜最終倍率が小諸(0.81)岩村田(1.00)佐久総合創造実践(0.92)だったことが理由でしょう。(隔年の法則)
佐久平総合農業科は全県的な農業科人気と都市部の法則の影響があると思われます。
★2020年度と比べ志願者予定数が20名以上減っている高校
上田千曲高校家庭科(前期-23名 後期-28名)
上田東高校(後期-55名)
丸子修学館高校(前期-20名 後期-52名)
小諸高校普通科(前期-36名 後期-35名)
野沢北高校普通科(後期-9名)
野沢南高校(後期-27名)
野沢北、野沢南、小諸高校については統合話との関連は否定できません。
昨年の後期最終倍率があまり高くなかったことも影響しているでしょう。
第三通学区
★2020年度と比べ志願者数が10名以上増えている高校
富士見高校(前期+10名 後期+16名)
諏訪二葉高校(後期+54名)
岡谷東高校(前期+19名 後期+16名)
岡谷工業高校電気科(前期+13名 後期+8名)
岡谷工業高校機械科(前期+10名 後期+6名)
岡谷工業高校情報技術科(前期+11名 後期+18名)
上伊那農業高校(前期+10名 後期-11名)
赤穂高校普通科(後期+19名)
松川高校(前期+17名 後期–6名)
飯田高校理数科(前期+19名 後期+18名)
飯田OIDE長姫高校電気電子工学科(前期+10名 後期+10名)
下伊那農業高校園芸クリエイト科(前期+11名 後期+10名)
阿南高校(前期+11名、後期+10名)
増えている学校が他通学区と比べて多いですね。特に諏訪二葉は54人も増えています
これは清陵が中高一貫になったことと昨年度の倍率が1.00だったことが大きいです。
屋代高校も中高一貫ができてから倍率が下がりました。
清陵も同じことが起きています。
その分受検者が諏訪二葉に回った可能性が高いです。
岡谷東と岡工も昨年度の低倍率の影響でしょう。
上伊那農や松川高校はその学校が本命だが成績が合格レベルまで達していない生徒がおおいので前期のみ増えています。
飯田高校の理数科は相変わらず高い人気ですが、今年は普通科の志願者が39人減なのでこの分が理数科に回ったようです。
飯田OIDEや下伊那農も20人以上マイナスな学科もあるので学校全体の志願者数は減少しています。
今年度の生徒の志向が電子工学や園芸に向いた結果だと思われます。
★2020年度と比べて志願者数が10名以上減っている高校
下諏訪向陽高校(前期-18名 後期-26名)
伊那弥生ケ丘高校(後期-45名)
飯田高校普通科(後期-39名)
飯田風越高校国際教養科(前期-23名 後期+14名)
飯田OIDE長姫高校機械工学科(前期-26名 後期-26名)
下伊那農業高校食品化学科(前期–12名 後期-22名)
下伊那農業高校アグリサービス科(前期-20名 後期-14名)
伊那弥生ケ丘は伊那北との合併話の影響でしょう。
昨年度の高倍率(1.19倍)も関係あるかな。飯田OIDEや下伊那農は増えた高校の項で書いたとおりです。
飯田高校も同様ですね。
普通科で減って理数科で増えています。
飯田風越は前期減った分が後期に回った感じです。
下諏訪向陽は駅から遠いのが減少の原因かと思われます。
例年あまり高倍率の学校が出ませんが、定員減がなければ今年高倍率になりそうなのは諏訪二葉でしょう。
第四通学区
昨年度に比べ、前期で88名、後期も88名の減少です。
他地区に比べて減少数は少ないです。
定員に対して志願者が+221名。
多くは私立に流れるとはいえかなり高倍率の学校が出てくる可能性があります。
★2020年度と比べて志願者数が10名以上増えている高校
梓川高校(後期+12名)
木曽青峰高校理数科(前期+5名 後期+12名)
松本工業高校機械科(前期+28名 後期+23名)
松本工業高校電気科(前期+17名 後期+9名)
松本工業高校電子工業科(前期+25名 後期+34名)
松本深志高校(後期+34名)
松本蟻ケ崎高校(後期+40名)
松本の市内3校はやはり人気です。
県は去年よりも志願者は減っていますが、それでも普通科後期は定員+172名と多いです。
昨年が高倍率だった(深志1.1、県1.09蟻ヶ崎1.22)にもかかわらず今年も志願者増です。
また、松本工業も志願者が大幅アップですが、これは昨年が少なかったので、(倍率も機械科0.48倍、電気科0.60倍、電子科0.93倍)元にもどった感じです。
梓川は倍率の上下動が激しい学校なのでいつものことでしょうか。
木曽青峰については昨年の低倍率(後期0.38倍)が影響したかなと思っています。
★2020年度と比べて志願者予定数が10名以上減っている高校
塩尻志學館高校(前期-38名 後期-28名)
松本県ヶ丘高校普通科(後期-37名)
松本県ヶ丘高校探求科(後期-37名)
松本美須々ケ丘高校(後期-32名)
豊科高校(後期-55名)
県ヶ丘については上にも書きましたが減ったとはいえ多いことに変わりありません。
減った65名分が深志蟻ケ崎の74名増加に回ったのではないかと思われます。
豊科は昨年の高倍率(1.07倍)の影響、美須々は市内4校ではなくなって、かつ駅から遠いのが志願者減(美須々も1.06倍と高倍率)の原因でしょう。
繰り返しますが今年度も市内3校は高倍率が予想されます。
また、定員減があれば一気に状況が変わります。
私立の専願者の数によっても変わりますので、今後も注意が必要です。
第二回志願予定数調査の結果は2021年1月7日に発表予定です。
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