卒業生x校舎長対談 卒業生x校舎長対談

篠﨑周さんは、2023年春から埼玉県北で有数の私立進学校である本庄東高等学校附属中学校に入学しました。
入試で優秀な成績をおさめ、「特進一貫コース」の1組で勉強に励んでいます。

篠﨑さんは、大好きなサッカーと両立することを前提に中学受験に挑みました。
小5の冬にまつがく上里校に入り、松尾剛道校舎長の伴走で受験勉強をはじめました。お父さんの手厚いサポートもあり、無事合格。

夢へのファーストステップをクリアした、篠﨑さんの中学受験を振り返ります。

篠﨑周さんのデータ

●出身小学校/深谷市立榛沢小学校 ●サッカーは小2から。小学生の時はクラブチームに、今は学校のサッカー部に所属
●これからの目標・夢/国公立大学に入学して、卒業後は薬の開発など医療系の仕事に携わりたい

小5

全国統一模試受験をきっかけに入塾(全国統一模試は小1から毎年受験している)。週2回・1回120分のペースで通塾

2月

本格的な受験勉強をスタート。通塾を週3回に増やして、中学受験用教材に取り組む。それに加えて自宅でも勉強を進める

3月

春期講習で1日280分の受講にチャレンジ。atama+の小学校算数の範囲を完了。2月からはじめた中学受験用教材もおおむね完了

小6・7月

夏期講習で、過去問演習を取り入れる。サッカーをやりながら勉強もがんばりたいということで、私立本庄東高等学校附属中学校・1組を第1志望に決める。

10月

週3回・1回160分に増やし、受験に向けてラストスパート。月例テストを外部の会場で受けてみる

11月

本庄東高附属中で実施するトライアルテストに参加

12月

冬期講習で最後の追い込み。過去問を繰り返し解く

1月10日

本庄東中の受験日 → 合格

2月

中学校の範囲を予習。数学は中1の範囲を完了。英語は取り組みが不十分だったため、重点的に学習する

中1・現在

サッカー部と勉強の両立にはげんでいる

1. 頼もしいサポーターはお父さん

円周率がスラスラ出てくる

松尾

周くんの第一印象は、受け答えがしっかりしている子だなということでした。あと、円周率の暗算がスラスラ出てくることにびっくりしました。中学受験で扱う特殊な計算もすでにやっていたよね。入塾前から、中学受験のための準備をそこまで徹底しているお子さんは初めてだったので、驚きました。

篠﨑

お父さんが教えてくれていました。8歳上のお姉ちゃんも中学受験を経験していて、お父さんはその時から一緒に問題を解くなどサポートをしていたんです。僕自身、将来の可能性を広げるために中学受験をしたいと、小3くらいから考えていました。まつがくは、松尾先生の模試の解説がとてもわかりやすかったので、入塾を決めました。

 

松尾

それはよかったです。受験は、お父様がとても熱心にサポートしてくれましたよね。私自身、お父様から教わることがたくさんありました。

篠﨑

正直に言うと、中学受験に取り組みはじめた最初の頃は、お父さんは怖かったです。僕の勉強が安定してきてからは、怖くなくなりました(笑)。お父さんは勉強だけじゃなく、浦和レッズの試合を一緒に観に行くなど、サッカーも応援してくれています。

松尾

周くんは、サッカーもがんばっているよね。入塾した時から、サッカーと受験勉強を両立したいとはっきり言っていました。

篠﨑

埼玉県北部で5本の指に入るくらい強いクラブチームでした。チームに迷惑をかけたくなかったので、まつがくではサッカーの練習を休まずに両立できるカリキュラムを組んでもらえたのは、とても助かりました。11月の最後の大会が終わるまでサッカーを続けられたことに感謝しています。

本格的な受験準備は小5から

松尾

周くんは、塾までお祖母様が毎日車で送迎をして、片道20分くらいかけて通ってくれていました。12月から、週2回・1回120分で、atama+の算数を中心にはじめて、まずは小学校の範囲をしっかりさらおうということになりました。

篠﨑

教科だと、算数はまあまあ得意だけど、国語は苦戦していました。atama+のようなAI教材は初めてで、難易度が高いと感じていました。

松尾

atama+は、中学受験の内容に入ると、難しさが一気に跳ね上がるのでそう感じたのだと思います。難しくて心が折れてしまうお子さんが圧倒的に多いんですが、周くんは追いついてがんばってくれました。そして、小5の2月から本格的な受験勉強に入りました。

篠﨑

週2回のまつがくでは算数と国語を勉強して、家では理科と社会の勉強を進めました。

松尾

2月から着手した教材がなかなか強烈で、高校生がやる内容じゃないかというくらい難しいんです。ある程度の難関校を受験するならば、王道といえる教材ではあるのですが……。周くんには、まず自分でがんばって解いてもらって、本当に困っている時に声をかけていました。

篠﨑

その後に過去問をやったら楽に感じてしまうくらい、難しかったです(笑)。

松尾

今はまだ、ただ難しいだけですけど、実は中学高校で習うことの基礎になる内容なので、これからどんどんつながっていきますよ。あとすごかったのが、春期講習の280分チャレンジでした。もちろん途中で休憩はとってもらいますが、午後2時から夜の7時10分まで連続して勉強するという取り組みです。高校受験を控えた中3生でやる人はいるけれど、小学生でチャレンジしたのは周くんが最初でした。

篠﨑

サッカーにも時間を割いている分、できていないところがあるのが気になっていました。ここで取り戻そうと思って、チャレンジしました。

松尾

周くんの場合、サッカーが勉強の足を引っ張るのではなく、原動力になっていました。講習会の合間も、欧州サッカーやJリーグを観て気分転換していましたよね。

篠﨑

はい。クラブチームの仲間も、僕の受験をとても応援してくれていました。

2. 受験を通してサッカーが上手になった

“武者修行”で度胸をつける

松尾

秋からは、受験に向けてラストスパートをかけていきました。毎月やっていた月例テストは、受けている人がそう多くないテストです。これをいつものまつがくではなく、10月と11月は外の会場で受けてもらいました。いわば“武者修行”ですね。

篠﨑

いつもと違う雰囲気で受けるのは、新鮮でした。

松尾

あとは、本庄東高附属中で毎年11月にやっているトライアルテストですね。これは前年の入試問題を使ったテストで、同日に解説も受けられます。

篠﨑

合格ラインの点数が取れたので、ホッとしました。

松尾

そして受験直前の冬期講習では、3~4年分の過去問を繰り返しやりました。できなかったところは課題として、atama+を使って復習してもらいました。

考えるスピードが速くなった

松尾

がんばりたいこと、好きなことがあるのはとてもいいことだけど、受験のように集中的に勉強をしなければならない時は、そちらに引っ張られてしまってなかなか勉強に集中できないということが起こりがちです。でも、周くんの場合はその心配がありませんでした。

篠﨑

実は、勉強はあまり好きではありませんでした。でも、やらないと受からないじゃないですか。特に6年生になってからはその気持ちが強くなりました。それに、サッカーと両立したいという希望を受け入れてくれたまつがくで、先生が伴走してくれる安心感の中で勉強することができていたのは大きかったです。学習習慣が身について計画的に進められるようになっただけでなく、受験をより自分ごととして捉えられるようになって、先のことも考えられるようになりました。

松尾

周くんは、薬の開発など医療系の仕事が夢ですね。そのために国公立大学に入学したいという目標もできました。

篠﨑

僕が小学校低学年の頃に、おじいちゃんが脳梗塞で半身麻痺になり、5年後に亡くなるまで家族が介護する様子をずっと見てきました。おじいちゃんのような病気の人を救えるような薬を開発したいです。受験勉強を通して、「努力すればできる、やらなければできない」ということを実感しました。努力して夢をかなえたいです。

松尾

周くんは、受験勉強を通して得たことがいっぱいありそうですね。考えるスピードが向上したということも言っていた記憶があります。

篠﨑

サッカーでも考えるスピードが早くなって、確実に上手になった手ごたえがありました。

松尾

それは素晴らしい! 勉強は、過去にやったことがあるような問題が出てきたとしても、まったく同じではありません。初めてのシチュエーションでとっさに考えて最良の判断をしなければならないのは、スポーツも勉強も同じです。実際、県大会で上位に入る強豪校は、学業成績も優秀な高校が多いです。私はバスケットボールをやっていたので、バスケ部の子が体験に来てくれると「バスケと数学は一緒だよ」と話すんですが、なかなか理解してもらえません(笑)。だから、周くんがサッカーで勉強とのつながりを感じてくれたというのは、とても嬉しいですね。

3. やる気はやっているうちに出てくるもの

自分の力を出し切った受験本番

松尾

お正月があけてすぐ受験本番でした。

篠﨑

本庄東高附属中は初めての受験本番だったこともあってさすがに緊張しましたが、僕自身は落ち着いて受験できたと思います。

松尾

本庄東高附属中は全然心配していませんでした。“1組”に入ることも、大丈夫だろうと思っていましたよ。合格してからは、どんな風に過ごしていましたか?

篠﨑

今まで見ていなかったテレビを見たりしていました。

松尾

受験の間はサッカーと勉強だけで、他は封印していたからね。ゲームはどうしていたの?

篠﨑

お父さんから「やってもいいけど、受かるかどうかわからないよ」と言われていたので、ゲームをやりたいという気持ちにはなりませんでした。

松尾

小学生ですから、今これをすることで受験の時にどうなっているということがイメージできないのが当たり前で、今が楽しければいいやとなってしまいがちなんです。周くんは、ここで我慢することで数か月後にいいことがあるとイメージして自制できていたので、すごいですよ。

やるか、やらないか

松尾

中学受験にチャレンジしたこの1年ちょっとは、本当に大変だったと思うし、よくがんばりました。でも、これがゴールではありません。周くんはこれからの6年間、成績優秀者を集めた“1組”の「特進一貫コース」に居続けることを目標にしています。今のペースで勉強を続けていれば、目標を達成して夢をかなえることはできるでしょう。これから中学受験する人に、伝えたいことはありますか?

篠﨑

「やるか、やらないか」です。勉強はやればできるようになるし、やらなければできないままです。

松尾

おおー! すごい。でもその通りですね。まずは取り組むことです。不思議なもので、やる気はやっているうちに出てくるんです。逆に言うと、やらない限りやる気は出ません。やる気が出るのを待つのではなく、まず手と頭を動かすことです。

これからの周くんのことも、楽しみに応援しています。

 

(取材・文/くりもときょうこ)

 

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