2022年に上田駅前に開校したまつがく上田駅前校。広々としたワンフロアの教室は、上田駅はもちろん上田市内各所へのアクセスもしやすい好立地にあります。
前身の校舎であるアリオ上田そばにあった上田天神校に入塾した倉橋輝來さんと菊池凌生さんは、同じ中学のクラスメイトでした。2022年春、ふたりはそれぞれ希望の高校に合格します。倉橋さんは県内有数の公立進学校の上田高校へ、菊池さんは5年制の技術者養成のための高等教育機関である国立長野高専へ進学しました。
入塾時に校舎長だった田辺恭央先生と講師の山本雄一先生も一緒に、4人でにぎやかに高校受験期を振り返ります。
倉橋輝來さんのタイムライン
中学校 |
上田市立第一中学校 |
---|---|
将来の夢 |
診療放射線技師か薬剤師 |
まつがく入塾 |
小6の夏、母の知人から誘われたのがきっかけで入塾 |
勉強のペース |
小6で週1回、中1~2で週2回、中3以降は週3回通う。 |
得意 |
英語、社会 |
不得意 |
数学 |
部活動 |
【中学・高校】卓球 |
菊池凌生さんのタイムライン
中学校 |
上田市立第一中学校 |
---|---|
将来の夢 |
航空エンジニア |
まつがく入塾 |
中3の夏。倉橋さんに誘われて入塾 |
勉強のペース |
夏期講習期間中は日曜日以外毎日通う。夏休み明けは、平日は週3回のペースで通う |
得意 |
数学、理科 |
不得意 |
国語 |
部活動 |
【中学】ソフトテニス |
1. 入塾のきっかけ
「まつがく、いいよ」
- 田辺
輝來くんが入塾したのは、小6の夏でしたね。当時はまだこの上田駅前校がなくて、上田天神校でした。
- 倉橋
母の知り合いから誘われたのがきっかけで、母から「行ってみたら?」と言われて。それで、話し合って行くことにしました。
- 田辺
中学受験対策というわけではなくて、中学校の学習の準備が目的だったね。
- 倉橋
そうですね。「いい経験になるかな」という気持ちで入りました。
- 山本
凌生くんは、輝來くんの紹介で入塾しました。
- 菊池
まつがくに行ってみたいと思ったのは、中学3年生の夏休み直前、ソフトテニス部を引退してからでした。高校受験のために行こうかなと。
- 倉橋
菊池くんとは小学校は違うんですけど、中2から同じクラスになって仲良くなりました。僕が「まつがく、いいよ」と誘って。
- 菊池
テストや受験対策のための英語塾は通っていたんですけど、他には何もやっていなかったので。
- 山本
輝來くんは、違う部活だったよね。
- 倉橋
僕は卓球部でした。小学校の時は特に目標はなかったんですけど、中2の頃に上田高校に行きたいと思うようになりました。卓球部の仲の良い友だち二人が上田高校に行くと言っていて、置いて行かれたくないなと思って。
- 田辺
成績はずっと良かったよね。中2の終わりまで500点満点の定期考査でいつも450点くらい取れていて、中3では学年上位の常連だった。凌生くんは、入塾直前の学校のテストの点数からすると、正直厳しいなというところからのスタートでした。
- 菊池
そうですね。中3の1学期はまだ望みがあったというか、大丈夫そうだなと気を抜いて勉強より部活にがんばっていたら、1学期の期末テストで下がってしまって。それで焦るようになりました。
- 山本
凌生くんは入ってすぐ、ユニークな生徒さんだなと思っていました。田辺先生ともそう話していましたよね。最初は頑ななところがあって、こちらが提案したことに対して絶対譲らなかった。
- 菊池
……?
- 山本
覚えていない?理科は基礎をすっ飛ばしていきなり総合演習からはじめていたから、レベルを下げてやったらどうかと何度か伝えたんだけど。
- 菊池
えっ、最初は普通に基礎をやっていましたよ。1年から3年まで全部終わらせてから総合演習をやっていました。
- 山本
えっ、そうだったの!?何回言っても自分を曲げないなぁ、頑固だなぁと思っていたんだよ。
- 菊池
誤解です!実は「山本先生、何を言っているんだろう?」と、少し不思議に思っていました(笑)。
最速で苦手を克服できるアタマプラス
- 田辺
輝來くんは、基本的には予習でどんどん進めていきました。中学3年生の早い段階で余裕をつくる目標通りに、中3の夏が過ぎたくらいで予習内容は終わって。あとは細かいところや応用問題をやったよね。
- 山本
小学生の時は僕が輝來くんを担当していて、中学に入ってからは田辺先生が担当になりましたよね。AI学習の「アタマプラス」に切り替わったのはいつでしたっけ?
- 田辺
輝來くんが中1の頃じゃないかな。それまでは生徒さん3人に先生ひとりというかたちの個別指導だったんです。アタマプラスは完全に個別になるので、担当制はなくなりました。輝來くんは途中でアタマプラスに変わる経験をしているけれど、どうだった?
- 倉橋
はっきりは覚えていないんですけど、楽しみだなと思っていた記憶があります。実際やってみると、自分の苦手なところをたくさんやれたのがよかったです。僕が苦手なところ、あまりできないところを的確に指摘してくれて、そこを克服する問題をたくさん提案してくれました。
- 田辺
アタマプラスでは、数学と英語をやっていたね。
- 倉橋
英語と社会が得意で、数学はどちらかというと苦手でした。
- 山本
凌生くんが入った時は、もうアタマプラスでした。
- 菊池
アタマプラスで初めてタブレットを使ったAI学習をやったんですが、結構自分に合っているなと感じました。最初に「診断」ということで問題を解いてみて、そこでできなかった単元が「おすすめ」というかたちで出てくるんです。自分はどこが分かっていないのかが明確になるので、とてもよかったです。
- 山本
凌生くんは理数が得意だけど、それでも当初は単元によって得手不得手があったよね。
- 菊池
数学だと確率が苦手でしたね。アタマプラスで集中的に取り組めたので、前よりはるかにできるようになりました。とはいえ、確率は今でも数学の中では苦手な部類に入るんですけど。
いいところ、伸ばせるところを伸ばしていこう
- 田辺
輝來くんは予習内容が終わってから、アタマプラスで高難易度の問題に取り組んでいました。アタマプラスは難易度が3つに分かれているんです。平均点を目指すのがレベル1、平均点以上を目指すのがレベル2。そして、レベル3は長野県の公立高校入試と比べてもかなり難しめの問題が設定されています。しかも制限時間もあるので、クリアするのがなかなか難しい。
- 山本
骨のある問題ですよね。
- 田辺
輝來くんはレベル3をやっていました。数学だと、一次関数の応用とかね。
- 山本
レベル2はすぐできちゃった感じだよね。
- 田辺
実は、輝來くんに見合うだけの問題を探すのが大変だったんです。英単語も、2年生の終わりには中3の内容までほぼ終わっていたもんね。学校の授業で分からないと感じたことはなかったんじゃない?
- 倉橋
たぶんなかったと思います。
- 山本
加えて努力家ですよね。コツコツ積み上げていける。
- 田辺
2時間でも3時間でも、長時間同じ問題に取り組める集中力もあります。ここまでできる生徒さんは珍しいですね。たまに、深呼吸して精神統一していたよね。「お、自分でコントロールしている。すごいな」と思って見ていたんだよ。どうやって身に着けたの?
- 倉橋
いや、自覚はなかったです。
- 山本
輝來くんには、ひとつのことに興味を持って追求しようとする力を感じます。この問題をしっかり知りたい、解きたいという探求心というのでしょうか。分からない問題を投げ出すタイプではない。アタマプラスが入って、私たちの関わり方も変わりましたよね。
- 田辺
それまでは、テストの点数を見て、その子が苦手なところを伝えるのがメインだったんですよね。「ここがダメ」「ここをどうにかしなきゃいけない」という感じで。アタマプラスを導入してからは、いいところや伸ばせるところを伸ばしていこうと逆の考え方に変わって、生徒さんたちもそれに乗ってきてくれる状況が多くなったような気がしますね。苦手なところも少しずつ成長するので、必ずいいところが出てきます。いいところだけを伝え続けて、ヤバいところは後でいいからと。
2. 本格的な受験勉強へ
夏期講習は毎日来ていた
- 山本
夏期講習は朝9時半から夜の7時50分まで教室を開けていました。輝來くんも凌生くんも、毎日のように来ていましたね。
- 菊池
教室が休みになる日曜日以外は毎日来ていました。6時間ないくらいだったかな。
- 山本
6時間もやれば十分なのに、「6時間ないくらい」と言うのが面白いね(笑)。
- 田辺
2時間くらいだと物足りないという子が多いですよね。朝から来てお昼を過ごして、夕方5時くらいに帰っていくという感じで、学校みたいな感覚で来ている子が多いです。
- 山本
凌生くんは、毎週土曜日にある「受験対策トレーニング」も頑張っていたね。5教科を模試形式でやるテスト。
- 田辺
毎週やるので、足りないところが見えやすいんです。凌生くんは特に理・数の伸びが目を見張るものがありました。もともと得意教科だよね。
- 菊池
得意というより、好きかな。まつがくでは、数・英にプラスして理科もやっていました。英語の塾も1週間に1時間、通い続けていました。
- 山本
アタマプラスは英語もやっていたけど、数学と理科がメインだったよね。特に理科をやっていた印象がある。
- 田辺
夏休み明けくらいから、学校でのテストで教科ごとに過去最高点を出すようになったよね。
- 菊池
学校のテストはあんまり、という記憶しかないんですが……。
- 田辺
いや、1教科ずつ上がっていっていたよ。今回は国語が最高点、今回は理科が最高点という感じで。
- 山本
夏休み明けも週3くらいで通っていたよね。輝來くん、凌生くんたちは“一中軍団”として有名だった(笑)。講師の間では、一中でまつがくが流行っているらしいという話になっていました。
- 倉橋
僕たち5人ですか?
- 山本
その5人の存在感が大きかったんだよ。輝來くんが凌生くんを誘って、さらにふたりの友だちが3人入ったからね。
- 菊池
友だちはクラスも同じで、自転車で通っていました。塾がはじまる前や休憩の時は勉強以外の、学校の話をしたりして。
まつがくに入って以降の成績は、教科ごとでは手ごたえがありました。ただ、全体でいうとそうでもなくて。というのが、ひとつだけ悲しい教科がありまして……。
- 山本
国語だね。
- 菊池
テストは記号選択問題だし、勉強しても分かんないんで、何もやっていませんでした。
- 田辺
(笑)。度胸があるよね。まあ、行きたい高校に合格するために足を引っ張らない程度にできていればいい、という考え方もアリだと思います。
自分で考えた勉強をやりたい
- 山本
輝來くんは、総合テストで学年順位はいいけれど点数が思うように取れないということがあったよね。たしか中3の冬頃かな。
- 田辺
上田市内の中学校は、中3の最後とその前の定期考査を、同じ業者のテストを使ってやるんですよ。それが総合テストです。
- 山本
輝來くんがなぜ点数が思うように取れないのかと、講師の間で話をしていましたね。あれだけ頭がよくてあれだけ集中してやっていてなぜこの点数なんだろう、と。
- 倉橋
自分でも理由を考えていました。改めてテストを見返してみると、できる感触はあるんです。でも、テスト本番でうまくいかなかった。入試が近づいてきて、ちょっと焦っていたんだと思います。
- 田辺
輝來くんは最後、「自分で考えた勉強をやりたいです」と言って、一旦アタマプラスから離れました。
- 倉橋
『全国高校入試問題正解』という過去問集です。学校の先生にワークとしてすすめられて、最初は数学だけやってみました。やってみたら結構いいなと思って、全教科に広げて。その前に、長野県の高校入試過去問は何年か分やっていたんですが。
- 山本
全教科やったんですか!?
- 倉橋
全教科やりました。年ごとに分かれているので、いちばん最近のものをやりました。
- 山本
かなりぶ厚い問題集だよね。47都道府県すべての公立高校入試の過去問と、一部私立高校の入試問題が入っている。
- 倉橋
東京の高校入試問題は難しかったです。特に国語と英語。社会は私立の問題にも何度か挑戦してみたんですが、問い自体がちょっと何言ってるか分からない。
- 山本
東京の名門私立の過去問も入っているから、難しいよね。でもこの過去問集、実はまつがくで流行っていたんですよね。
- 田辺
今年は特に流行っていました。
- 山本
輝來くんが起爆剤になって、最後はみんなやっているくらいの感じでした。
- 田辺
理想的ですよね。基礎は早い段階で終わらせて応用問題もやって、さらに自分が目指す高校入試以上の問題を解く時間を確保できているわけですから。
- 山本
最後のほうは、みんなすごい質問攻めでした。輝來くんは『全国高校入試問題正解』の分からないところを田辺先生と僕に聞いてきて。
3. それぞれの受験直前期
3か月で15年分の過去問を解く
- 山本
凌生くんが高専に行こうと思ったのはなぜなの? 何度か聞いたんだけど、あんまりはっきりした答えが返ってこなかったから、知りたかったんだよね。
- 菊池
一つ上の仲の良い先輩が高専に入って、高専のことを話しているのを聞いて、専門的な勉強をやるのが楽しそうだなと思ったのがきっかけです。
- 田辺
高専の入試は800点満点です。内訳は、内申が300点で5教科は500点。ただ、英・数・理は傾斜配点されて2倍になります。
- 山本
高専は数学、理科、英語を重視しているから傾斜がかかるんですよね。この3教科が重要になります。
- 菊池
高専に合格できるのは200人で、そのうち推薦が120人で一般入試が80人です。推薦も考えていたんですけど、学校の先生に聞いたら僕は評定が足りなくて。
- 田辺
2学期の2回目の三者懇談、覚えてる?11月だったかな。あの時、「高専の過去問はやってる?」と凌生くんに聞いたら、「眺めた程度です」って返ってきたから、やろうぜという話になりました。
- 菊池
そうですね、入試問題の中身をあんまり理解していませんでした。
- 田辺
こちらとしては、「ヤバいぞ、ギリだぞ」と内心焦りました。入試まで3か月ちょっとのタイミングだったので。凌生くんに内申点を聞いて教科で必要な点数を計算したら、各教科70~75%は必要でした。そこから高専の過去問に取り組んでもらいました。そうしたら、凌生くんからもすごく質問が来るようになりました(笑)。
- 山本
質問への対応は、顔は冷静を装っていましたが、実はかなり骨が折れました(笑)。
- 菊池
高専の過去問を最初にやったときは、ぜんぜんできなくて。公立の問題と似ているだろうと思い込んでいたので、びっくりしました。
- 田辺
凌生くんも輝來くんも、冬休み中が質問攻めのピークだったね。
- 菊池
輝來くんを見て真似しました。アタマプラスのことじゃなくても質問していいんだ、と知って。
- 田辺
まつがくでやっていること以外は聞いちゃいけないのかと思わせていたんだね。
- 菊池
個人の勉強も空いている時間に聞いていいんだと、気づきました。
- 山本
今日は何を聞いてくるか、楽しみにしていた部分もありました。過去問はだいたい5年分が相場だけど、結局どれくらいやったの?
- 菊池
15年分くらいやりました。
- 田辺
それはすごいですよ。
- 菊池
あっ、でも国語と社会は、やってもしょうがないと思って5年分もやっていないかもしれない。英・数・理は2倍になるから大事だなと思っていたので、15年分くらいやりました。特に数学に力を入れました。
いざ入試本番へ
- 山本
凌生くんは入試の前、不安そうだったよね。
- 菊池
そうですね。高専の過去問をやりだして、年によってできる時とできない時があるのが気になっていました。問題の難易度に波があるのではなくて、自分の得手不得手が反映されていると感じました。実際に自分が受験する時は、できる年なのかできない年なのか、どちらになるか分からないので不安でした。
- 山本
相談を受けたのを覚えていますよ。僕からは「大丈夫、大丈夫」と伝えました。根拠のない励ましではなくて、直前の模試でいい成績が取れていたから、本心から伝えていました。
- 菊池
不安があっても、とにかく勉強するしかなかったです。解けなかった問題をもう一度やって、できたときは不安がちょっと和らぎました。
あとは、遊びと勉強のめりはりをつけました。学校や講習会のお昼休憩のときに、仲間と雑談したり息抜きできたのは大きかったです。
自分はできないと嫌なことばかり考えだすと、絶対に失敗すると分かっていたので、ポジティブに考えるようにしていました。そうでなければ、1日10時間も勉強できなかったです。
- 田辺
入試は輝來くんの私立高校が最初でしたよね。
- 倉橋
はい。2月6日に佐久長聖高校を受けました。
- 菊池
僕はまず2月10日に、私立の上田西高校を受けました。そして、18日に高専の入試。
- 山本
輝來くんの公立入試が3月9日だから、凌生くんのほうが、本命が早かったんだよね。この時期、どんな会話をしていたのかな。
- 菊池
輝來くんの入試より僕の高専の結果のほうが先に分かるので、合格しても浮かれて話すことはしないようにしていました。
- 山本
気を遣っていたんだね。
- 倉橋
佐久長聖は受かっていたので、少しホッとしました。
- 菊池
僕は私立を併願していましたが、もし高専も上田西もダメだったら、後期試験で公立の染谷丘高校を受ける予定にしていました。ただ、公立入試の勉強まで手が回らなかったので、どちらも落ちたら本当にキツかったです。
4. 将来の夢
予習をすると授業の理解度がぜんぜん違う
- 山本
ふたりとも本命に合格して本当に良かったよね。びっくりしたのが、輝來くんは1週間だけ休むと言って、そのあとはずっとここでアタマプラスを使って高校の勉強をやっていたこと。
- 田辺
むしろ、合格後のほうがすごかったかもしれない。
- 山本
3週間で高校の数Ⅰを終わらせていました。今は、高校入学後のテストに備えて、難易度を上げて各単元の完成度を高めています。合格したら解放感から遊びたくなるところですが……。
- 倉橋
予習が大事だと思っていたし、高校に入ったら自分よりできる人は大勢いるだろうから、人よりもやらなきゃと思ってやっていました。実際高校に入って、他の人の問題を解くスピードの速さや、積極的に意見を言う姿勢を見て、能力が高い人ばかりだなと感じています。
- 山本
予習が大事というのは、いつ気づいたの?
- 倉橋
えーっと……長年のカンというか(笑)。まつがくに入ってからですが。まつがくで予習をどんどん進めていたおかげで、授業の理解度がぜんぜん違うと感じていました。
- 山本
この調子だと、高2の終わりを待たずに高校の予習が終わってしまいそうですね。とはいえ、息切れしたり疲れたりしないかちょっと心配です。気分転換はどうやっているの?
- 倉橋
部活ですね。卓球部に入りました。先輩がとても強くて、毎日の練習が大会みたいで、最初は苦しいと思っていました。でもそれがだんだん楽しくなってきて、今はいい刺激になっています。
- 山本
部活以外に趣味や好きなことはありますか?
- 倉橋
マンガが好きです。最近読んで面白かったのは『東京卍リベンジャーズ』。自分はコミックスを集めるのが好きなので、合格祝いとして全巻買ってもらいました。あと、地域の方にお祝いをいただきました。
- 山本
地域の方に!?
- 倉橋
僕を幼い頃から知っている近所のおばさんです。
- 田辺
家族や親せきから合格祝いというのはよくある話ですけど、近所の方からというのはあんまり聞かないですね。
- 山本
輝來くんだからこそじゃないですかね。凌生くんはどんな合格祝いだったんですか?
- 菊池
モノじゃなくてふつうにお金でした。好きなモノとか僕があんまり言わないせいか、親から「このお金で好きなものを買って」と。
- 田辺
高校に入ってもうすぐ1か月経つけど、どうですか。
- 倉橋
みんな、勉強ばっかりしていてあんまり親しくなれないのかなと思っていたんですけど、ぜんぜんそんなことなくて。みんな個性的だし、中学の時より将来の話をする機会が増えたなと感じています。先輩も優しくて上下関係もそんなに厳しくないです。
- 菊池
中学までは「授業、早く終わんないかなー」と思っていたんですけど、高校では「ものづくり基礎工学」とか、専門性のある授業があって、結構楽しいです。パソコンは授業で使うので買ってもらったんですが、まったく分からないので友だちに聞いて覚えようと思います。
- 山本
凌生くんは、部活は入ったの?
- 菊池
バドミントン部です。最初はバドミントンとソフトテニスで迷って見学することにして、先にバドミントンの見学に行ったら、先輩も雰囲気もよくて。「ここよりいいところはない!」と思えるほどよかったので、バドミントン部に決めました。高専も、上下関係は厳しくないです。上田高校も私服だけど、高専も私服で校則も特にないので、髪を染めるのも自由。アルバイトは、1~3年生(低学年)は長期休みの時ならできます。
- 田辺
通学が大変だね。
- 菊池
家から学校まで、片道1時間10分ほどかかります。電車に乗っている時間が長いので、最近はアニメをよく見るようになりました。
診療放射線技師になりたい
- 田辺
輝來くんの将来の夢は、中2の終わりに「10年後の私」というものを書いてもらった時に出てきた、診療放射線技師ですね。
- 倉橋
きっかけは、テレビドラマの『ラジエーションハウス』です。診療放射線技師が主人公のドラマで、主人公役の窪田正孝さんが前からかっこいいなと思っていて、憧れました。
- 田辺
放射線技師の資格は専門学校でも取れますが、国公立大学の保健学科のほうが設備は整っているので、そのほうがいいんじゃないかと伝えました。あと、最初の勉強でどこまで深くできるかで、その後が決まるということもあります。
- 山本
それで、金沢大学や新潟大学を目標にしたんだよね。国公立大で学ぶとなると、放射線技師になるのは当たり前で、専門性をいかに深めていくかに照準を合わせることになると思います。
- 倉橋
田辺先生からは、薬剤師も提案してもらいました。
- 田辺
他にも医療系の進路にどんなものがあるのか知ってほしかったので提案しました。もちろん、薬剤師になれということではないですよ。
- 倉橋
今は、金沢大学か新潟大学を目指しています。
大学への編入を視野に入れて
- 菊池
中3の時、先生に飛行機の話をしましたよね。
- 田辺
覚えているよ。入試直前だったよね。航空機の計器を作りたいと言っていたよね。
- 菊池
戦闘機の説明をしているYouTubeを見て、楽しそうだなと思ったのがきっかけです。最初は、どういう戦闘機があるかを説明している動画を見ていて、関連動画をたどっていくうちに日本で今作られている戦闘機にたどりついて、興味を持ちました。
- 山本
計器だと電装系エンジニアになるのかな。そこに興味を持ったのはなぜ?
- 菊池
エンジンや機体の形状などは開発し尽くされていて、ステルス機も探知できるソナーとか、そういう機能がこれからは求められていくみたいなんですよね。そこに興味を持ちました。そんな話をしていたら、山本先生が「東北大はどうか」と教えてくれたんです。
- 山本
私は東北大の工学部出身で、東北大には日本では数少ない航空系の学部があるんです。高専は大学に編入できるので。
- 菊池
1年はみんな同じ授業を受けて、2年から専門へ進みます。
- 山本
5年あるから余裕というわけはなくて、1年の時の成績で2年以降、希望の専門に進めるかどうか決まるので、気が抜けないよね。
- 田辺
高専から信州大学に編入した人が、普通高校から受験するよりもスムーズだと言っていました。数学は普通科より高専のほうがレベルは高いですから。なので、東北大もがんばれば行けると思います。
「この塾、好きです」
- 山本
受験直前に凌生くんに「高校入学後もまつがくに残りませんか」と伝えたら、「この塾、好きです」と言ってくれたんです。とても嬉しかったんだけど、覚えている?
- 菊池
……。
- 山本
またすれ違いが(笑)。
- 菊池
まつがくは好きです。自由なところが気に入っています。
- 田辺
一般的な塾は一斉授業で拘束されたり、講義の時間の枠が決まったりしているからね。個別指導でも何曜日の何時からというのは決まっていることが多いし。アタマプラスは自分のペースで進められるので、完全に個別最適化しています。
- 山本
学校は違ってもまつがくで会えるのはいいよね。今は、お互いをどう思っているの? ライバル?
- 菊池
ライバルではないです。
- 田辺
いい友だちとして付き合い続けられるといいね。山本先生と凌生くんのすれ違いも今日解決したし(笑)、ふたりとも高校に入ってもまつがくで勉強を続けてくれているので、これから先も楽しみですね。
(取材・文/くりもときょうこ)