卒業生x校舎長対談 卒業生x校舎長対談

「まつがく茅野校」に通う杉本和徳さんは、2022年秋、信州大学教育学部附属松本中学校に合格しました。とはいえこの合格は、夢への第一関門。この先に、外科医になりたいという大きな目標を見据えています。

幼い頃から興味を持った数字や数学の世界を、お父さんをはじめとした家族が応援してきました。和徳さんの圧倒的な才能は簡単に真似できるものではありませんが、お父さんの関わり方は多くのご家庭にとってヒントになりそうです。

校舎長の宮原隆先生も同席して、3人で和徳さんの中学受験を振り返りました。

和徳さんのタイムライン

小5

小4終わりの春期講習で入塾。当時の志望は北杜市立甲陵中学校
通塾は1日60分×2コマを週4日。加えて在宅で週1回60分1コマ

11月

四谷大塚の小学生統一テストで、算数で長野県1位に。4教科全体では4位

小5後半

県内外の私立中学も検討し、面談の中で信大附属松本中から松本深志高校というルートが浮上

小6・夏前

本人の希望で第1志望は信大附属松本中に決める

小6・11月

四谷大塚の小学生統一テストで、4教科全体で県内4位

中学受験

10月23日に受験し、合格

1. 数字に興味がある保育園児だった

トイザらスで意外なおもちゃをほしがる

宮原

和徳くんは幼い頃から数字に興味があったと聞いています。

お父様

保育園の頃から足し算・引き算ができていて、掛け算も少し分かっていました。僕もどちらかと言えば理数系なので、簡単な小学校の算数くらいはと思って教えていました。当時も「すごいな」とは思っていましたが、ここまでできるようになるとは予想していませんでした。

宮原

小5で入塾した段階でも、レベルが違うなと感じていました。小6の今は高校数学をやっていて、他にそういう生徒さんはいないですから。

お父様

トイザらスにおもちゃを買いに行った時、くもんの百玉そろばんを指さして、「あれが欲しい」と言い出して。あれはまだ年長さんの時だったかな?

和徳

覚えていない。

お父様

「これを選ぶか!」と思って驚きました。数字に対して思いがあったみたいで。

宮原

算数検定も受けていますよね。

お父様

算数検定があるのを知って、「こういうのがあるみたいだけど受けてみる?」と本人に紹介しました。テストの受け方も、分からない問題は飛ばして次に行くというようなテクニックも分からない状態でした。最初に受けたのは1年生だった?

和徳

年長の頃かな? 年長で11級じゃなかったっけ。

お父様

勉強するきっかけになればと思ったんです。試験を受けるとなると勉強することになりますから。算数だけは本人が興味を持っていたので、そういうきっかけを与えていました。

宮原

お父様がしっかり関わっていらっしゃいますね。

お父様

和徳は最初の子だったので、余裕があったからできました(笑)。本人の興味があることを伸ばしてあげたいなと思って、たまたま分かりやすい算数だったので。これが絵や音楽だと、気づいてあげられなかったかもしれません。

算数オリンピックに挑戦

宮原

そして算数オリンピックにもチャレンジしています。

和徳

お父さんから紹介してもらって、面白そうだなって思ってやりました。

お父様

和徳が3年生くらいの時に初めて知って紹介しました。小1~3がキッズBEE大会、5年生以下がジュニア算数オリンピック、そして6年生以下が算数オリンピックとカテゴリーが分かれています。

和徳

予選があって、そこで一定の得点以上を取れると決勝大会に進みます。

お父様

各県ごとにトライアル大会という予選があって、松本や長野まで行って参加していました。決勝のファイナル大会は東京で受けました。3年生の時は、おじいちゃんに付き添ってもらって東京に行ったよね。

和徳

うん。

お父様

ただ、コロナ禍でファイナルが中止になったり在宅になったりしました。4年生の時は、トライアルを受けた人が全員ファイナル扱いになって。5年生の時は自宅受験だったか。

和徳

決勝が自宅だった。

お父様

6年生の今年はまた東京へ行って。コロナ禍でイレギュラーな開催になったけれど、僕は「4年連続ファイナル出場と同じだからね」と本人には言っています(笑)。

宮原

算数が得意な子が集まってくるんですよね。

和徳

けっこう広い部屋で、一斉に問題を解きます。他の子と話す機会はないですが。

宮原

算数や数学はどんなところが面白いと思う?

和徳

計算とかして正しい答えが出せるのが楽しい。自分が正解できるのが面白いです。

お父様

暗記しなきゃいけない社会とかは、算数と比較すると少し苦手ですね。そういえば、NHKのEテレでやっていた『笑わない数学』、お父さんが録画していたけど、言うほど見なかったな(笑)。

和徳

見たよ。面白かった。

宮原

和徳くんなら、番組の内容もある程度分かるんだろうね。

和徳

はい。

2. 中学受験を考える

4人きょうだいのお兄ちゃん

宮原

和徳くんは小4が終わった春休みの春期講習に来てくれたのが最初でしたね。塾に入ろうと思ったのは?

和徳

5年生になって中学受験を考えていたのと、中学校に入ってからのことを考えて勉強したいなと思いました。まつがくは、自分に合った学習の進め方ができるのがよかったです。

宮原

最初からアタマプラスを使って学習しています。

和徳

自分に合っていると思いました。基礎固めもできます。

宮原

人によってはもう少し演習問題がほしいとかあるけど、そのあたりはどうだった?

和徳

たしかに、問題の種類が少ないと答えを覚えてしまうことがありました。

宮原

週4日は、ここで60分を2コマやっていました。

和徳

木曜日は在宅でやっていました。算数と英語をアタマプラスでやって、国語はテキストを使っていたかな。

宮原

平日は毎日ですね。

和徳

ピアノもやっていますが週1だけだし、平日はそんなに忙しくないので。

宮原

私は和徳くんがここで黙々と学習している姿しか見ていないんですが、ご家庭ではどんな感じですか?

お父様

和徳は4人きょうだいの一番上なんですよ。

和徳

妹が4年生で、弟が3年生で、1番下の弟が年長です。

お父様

和徳は優しいもんで、妹や弟によくいじめられています。

宮原

いじめられてるの?

お父様

下の子のほうが強く出てきますんでね。やり返さないから、泣かされています。

宮原

週4でこちらに通塾していたのは、いい気分転換になっていたかもしれませんね。

和徳

まつがくに通い始めた頃、けっこういいなと思いました。妹や弟と一緒にいると勉強できないので。

お父様

そういう家庭環境なので寮に入るような中学校も考えた、というのはありますね。

宮原

なるほど、それで(寮に入る中学校に)抵抗がなかったんだね。

本1冊から興味は広げられる

宮原

お子さんのことは、わりとお父さんがフォローしていらっしゃるんですか?

お父様

黙っていればいいのかもしれないですけど、僕が先に口を出してしまうもので。あと、妻は末っ子に手がかかるので、可能な限り上の子は僕が面倒見ています。

宮原

物理や化学の本も買ってあげたとか。

お父様

本人が興味を持つので。理解できるかどうかは分かりませんが。前にコンビニに寄った時に、微分積分の本があったよな。

和徳

うん。

お父様

化学の本は何年生くらいだったかな?

和徳

2,3年生くらいの時じゃない。

お父様

その頃になぜか和徳は化学に興味を持っていました。ただ、化学の本は子ども向けがなかなかなくて、高校生向けでなるべく簡単そうなのを選んで与えました。なんとなく理解しているようでした。

和徳

本を買ってくれたから興味が出たっていう感じだったよ。

お父様

そうだっけ? 和徳が興味を持ったからわざわざ買ったんだよ。何がきっかけか忘れたけど。

宮原

お子さんの興味に応じて、こまめにきっかけづくりをしていらっしゃいますよね。

お父様

興味持ったことに関しては、ちょっと広げられるような本を買うとか、何かはしていましたね。本1冊、1000円ちょっとで広がればいいかなと思って。

算数で県内トップに

宮原

小5の11月にここで受けた四谷大塚の小学生統一テストで、算数で長野県1位、4教科で4位になりました。県内トップは、取れそうでなかなか取れません。

お父様

でも県にひとりはいるからね。

和徳

(笑)。

宮原

お父さんは考え方が前向きですね。和徳くんはトップになってどう思った?

和徳

取れると思っていませんでした。狙っていたわけではなかったし。だから、結果を見た時は驚きました。

宮原

1位だもんね。先生たちもみんな、すごく喜んでいました。国語も最初苦手だったけど、『論理エンジン』という問題集が役に立ったかな。論理的に考えるというところから克服していったね。国語が苦手だったのも、算数のようにひとつの答えではないからかな?

お父様

何通りも表現があること、どっちも○というケースがあることに納得できなかったようです。「作者がどう思ったかを書きなさい」というのも難しかったかな。

和徳

まつがくで勉強して、日本語としての文法とかが良くなったなという感覚があります。

宮原

そして1年後の小6の11月も、4教科で県内4位でした。今回は、4教科がバランスよく得点できたよね。ただ、そのテスト用の対策をしていたわけじゃなかった。

和徳

はい。

宮原

受験があったからね。学習をどんどん進めている中での快挙でした。

ゲーム禁止になった理由

宮原

勉強以外で好きなことはあるの?

和徳

ピアノを弾くのはけっこう好きです。おじいちゃんの家にピアノがあって、おばあちゃんが弾けるのでちょっとだけ教えてもらったりしていました。4年生の時から教室に通っていて、今はベートーヴェンの「ソナチネ」を練習しています。

宮原

好きな作曲家はいる?

和徳

うーん、そこまではまだ難しいです。

お父様

クラシックが流れているような生活ではないので(笑)。

宮原

ほんとは流れてるんじゃないの?(笑)

和徳

流れてませんよ(笑)。

宮原

小学校でのお友達との関わりは?

和徳

クラスのみんな仲が良くて、ふつうによく話します。ふつうの感じかな。問題なく。

宮原

和徳くんは、クラスの中でどんな存在なの?

和徳

6年生になって、けっこうみんないろいろ相談してきます。頼られているところもあるのかな。あと、自分ではそう思わないですけど、面白いってよく言われます。

宮原

面白いの?

和徳

自分ではよく分かりません。あんまり詳しくは聞いていないので。

お父様

ときどき友だちと家を行き来して、ゲームをやっています。

和徳

「マリオシリーズ」が好きです。最近は「スプラトゥーン」。「マインクラフト」もやります。

お父様

パソコンのマイクラは、いつからやったんだっけ?

和徳

1年生じゃない?

お父様

今はSwitch禁止されてるよな。

和徳

うん。

お父様

きっかけはなんだったっけ?

和徳

パスワード。

お父様

Switchは親がスマホから時間などを遠隔管理できるんです。今時の子なんで、そのパスワードを勝手に解除してやっていて。「それは不正アクセス防止法にひっかかるくらいの話やぞ。犯罪レベルのことですよ」と言って今、禁止にしています。受験前もSwitchはやっていましたし、なんなら受験の前日もやっていましたしね。

宮原

それだけ平常心だったということですね。

お父様

「明日試験やけどなー……」と思って見ていました。

3. いよいよ入試本番

県内外の私立中学を考える

宮原

入塾当時から、地元の中学校ではないところに行きたいという話が出ていました。

和徳

その後も、まつがくで先生からいろいろ紹介してもらって、考えていました。

宮原

お父さんから、愛知県の海陽学園というお話もありました。

お父様

いっそのこと寮に入るのもアリだなと。ただ、とてもお金がかかるので奨学生ならばという前提ですけど。

宮原

山梨県北杜市の甲陵中学校の名前も挙がっていました。

お父様

公立の中学は住所を現地に置かないといけないので、そこまではなかなか大変でできないということで断念しました。

宮原

お父さんと和徳くんとの三者面談で、地元の長野県諏訪清陵中や信大附属松本中の話が出ました。茅野から松本中に通う生徒はいるにはいるんですが、電車は始発になるので大変です。

和徳

友達のお兄ちゃんの知り合いが通っています。

宮原

中学受験はする前提でずっと話をしてきたけれど、途中で疲れなかった?

和徳

そんなになかったかもしれない。

お父様

軽くはあったよね。

和徳

うーん、あんまりなかった。

志望校は信大附属松本中に

宮原

そして、小6の夏前に進路が決まりました。そういえば、佐久長聖という話もありましたね。

お父様

そうですね。佐久長聖も私立で寮生活なので、奨学生ならという前提で。本人が受けないと言ったので受験はしませんでしたが、僕は受けてみても面白かったんじゃないかなと思います。

宮原

お父さんとも話していたんですけど、正直中学受験はそんなに心配していませんでした。基礎はしっかり固まっているので。特に対策はしなかったです。

お父様

附属は過去問が出回らないですしね。

宮原

松本中は面接と作文がポイントになります。練習もしましたが、今年はコロナ禍で結局、記述式の紙上面接になってしまいました。

お父様

よかったねぇ。

和徳

どっちのほうがよかったか分からないけど。紙上面接は、質問紙が配られて、それに対して15分の時間内で書いて答えます。

宮原

どういうことを聞かれたんだっけ。

和徳

「志望動機を答えなさい」と、「あなたの長所と短所を答えなさい」でした。

宮原

作文もすごくいい内容だったみたいだね。お友達のこと書いていたんでしょう?

和徳

「学校が楽しいと思える時はどういう時ですか。またそう思えるようにどんな努力をしていますか」というテーマでした。

宮原

面接練習はZoomで1回やりました。紙上面接になることが分かってからは、書く練習をしたよね。おうちでも何かやっていましたか?

お父様

質問して答えてというのは軽くやっていました。分からない質問でも、あんまり考えこんで黙ってしまわないように、相手の質問を確認する意味で復唱しながら、その間に何か考えて答えようと。

平常心だった入試前日

宮原

当日はどうでしたか?

和徳

うん。やっぱり緊張した。

お父様

さっきも言いましたように、前日もSwitchをやっていたくらいなので。ただ、多少緊張しているのは本人も口に出していましたし、伝わってはきましたよ。資格試験なら落ちてもまた次がありますけど、中学受験はそうではないので。僕も大丈夫だろうと思っていましたが、定員という枠もありますし、絶対はないという不安や緊張があったかなと思います。

和徳

英検とかの試験よりも緊張しました。いつもは気にならないような、他の人が紙に鉛筆で書く音が気になって。作文では、それで「(他の人は)もう書き始めているのか」と少し焦りました。

宮原

結果は郵送で、しかも「○日頃発送」と幅がありました。ちょうど到着するくらいの日は、和徳くんは在宅受講だったので電話したら、すごく元気がなくて。「まさか結果が返ってきている?」と思って、何回も「どうした? どうした?」と聞いたのを覚えています。その次の日だよね。

和徳

受かるとあんまり思っていなかった。

お父様

みんなで喜びました。ただ、これまでの算数オリンピックしかり英検しかりですが、だからどうということはありません。合格したから、ファイナルに行ったから何か買ってあげるということはしない主義なので。ご褒美は、その体験や結果。がんばったのは自分だから、誰かに褒めてもらうんじゃなくて、自分で自分を褒めてあげてくれと。

宮原

何かで釣らないとやらない、ということがないんですね。

お父様

釣らないとやらないなら、やらなくていいかなと思います。

4. できるだけ遠くへ行ってほしい

高校数学へ進む

宮原

中学受験が終わって、少し夢に近づきました。

和徳

前より少し自信が出てきました。もしかしたら、本当に行けるんじゃないかと思ったりします。

宮原

松本深志高校に進んで、東京大学の理科三類(以下、理Ⅲ)に行くと目標設定しています。今の進度でいけば東大は普通に入れるだろうし、理Ⅲも狙えるところにいると思います。東京でお受験をやっている子よりも進んでいますから。入試の少し前までは高校の数学Ⅰ・Aをやっていました。共通テストの範囲になってちょっと苦労していたので……。

和徳

そこは一度飛ばして。

宮原

じゃあ、数学Ⅱ・B行くかと。でも、ほぼコンプリートしていました。数Ⅰ・Aの共通テスト過去問も解けている。受験前はさすがに高校範囲の勉強は止めたけれど、今は微分積分まで進んでいます。

和徳

新しく覚えるほうが楽しいですから、この先の学校の授業でやることを全部やってしまうと、少し心配ではあります。

宮原

そうなったらまた、考えよう。

お父様

数学と英語はすごく進んでいますが、他の教科は分からないこともたくさんあるしね。それに、意外に簡単な計算問題を間違えるんです。思考力を問う問題はいいんですが。

宮原

たしかに、和徳くんは時間をかけて突き詰めて考えることが得意です。在宅で学習する日は、アタマプラスのログインから消えてしまうことが時々ありました。どうしたのかなと思って電話すると、画面を触らずにずっと問題を考え続けていて自動的にログアウトしていただけということが分かって。

お父様

そんなことがあったんですね。計算問題はたぶん、暗算した時に間違えているんじゃないかな。普通なら筆算でやるところを暗算で解いてしまうので。

宮原

私たちも通常なら「途中の式はちゃんと書いてね」と指導するんですが、和徳くんの場合は頭の中でできてしまうので、あえて言わないようにしています。時間的なこともありますし、何よりできているので書く必要がない。ただ、四谷大塚の問題もケアレスミスしていたことがあったので、そこは注意しないといけないですね。

お父様

そういえば、九九は覚えるのが大変だったな。掛け算はできるんだけど、九九で言わされると分からなくなってしまう。通常なら丸暗記で覚えるところを、和徳は1個1個計算してしまっていたので。

宮原

英語も中学範囲が終わって、先日から高校英語に進んでいます。

お父様

英検3級も合格したね。

和徳

今年の1月か2月に受けたよね。

お父様

かといって、準2級はさすがにまだ難しいだろうなぁ。

宮原

もうじき、大丈夫だと思いますよ。

外科医になりたい

宮原

和徳くんの夢は外科医です。入塾した時から言っていたよね。いつ頃から意識しだしたの?

お父様

僕も知りたい。

和徳

自分に向いているかなと思って。

宮原

ドラマやドキュメンタリーで知ったの?

和徳

テレビは見ないから。

お父様

東大っていうのは、いわゆる医療ドラマやマンガは、あんまり興味がないみたいで見ていないんですよね。だから僕も、何をきっかけに外科医をイメージしているのか分からなくて。お医者さんの中でも、外科医というチョイスだったのはなぜ?

和徳

うーん。単純にそういう方に興味があったっていうだけかな。

宮原

それで、東大理Ⅲを狙おうという話を僕の方からしました。私は本当に行けると思っているよ。和徳くんも行きたいと思っているでしょ?

和徳

行けたら行きたい。

お父様

東大っていうのは夢かドラマの世界の話で、現実感はないですね。もちろん、本人がそう言うなら否定はしません。反対する理由がないんで。本当にそうなったらすごいなぁと他人事のように思いますね。

宮原

英語はだいぶいい感じなので、もうひとつやるとしたらということでドイツ語の話も出ていたね。アタマプラスにお願いしてドクター用にドイツ語版も作ってもらおうかな。

和徳

ドクター用にドイツ語は作らないんじゃないですか?

宮原

いやいや、わかんないですよ。和徳くん用に作ってくれるかもよ。

和徳

それはないですよ(笑)。

いちばん遠いのは宇宙

和徳

中学に入ってもまつがくは続けられたらいいなと思っています。

宮原

おうちだと、落ち着いて勉強できないかもしれないもんね。中学は楽しみですか?

和徳

はい。松本は茅野より都会なので、会ったことのないような人に会うのが楽しみです。

宮原

部活も何か入る予定かな。

和徳

入りたいですね。松本中は、ネットとかでも部活はあんまり紹介されていません。

お父様

部活を夜の7時8時までやる学校ではないので。

宮原

本当の意味の部活動ですよね。運動系をやるの?

和徳

いや、やりません。好きじゃないんで。インドア派です。

お父様

和徳が小さい頃、何度かこう伝えました。「うちは家族が多いということもあるので、早くお父さんの元から出てください。できるだけ遠いところに行ってください。いちばん遠いのは宇宙です。その次は海外です。その活躍をインターネットなりで聞かせてもらえるぐらいがんばって」。

宮原

あんまり遠くに行ってほしくないという親御さんも多いですから、できるだけ遠いところにというのはすごいですね。

お父様

世界で活躍できるくらいの子になってもらったらいいかなというのと、親の手元を離れてほしいというのと2つあります。いつも言っていますけど、優秀で勉強ができればお金の心配はいらない。海外だって奨学金で行けますから。だからがんばってください。ただし、あんまり(お金は)出せないですと言っています(笑)。今のところ、宇宙は行ってくれそうもないので、海外くらいで。

宮原

和徳くん、勉強は楽しい?

和徳

うんうん。(力強くうなずく)

宮原

合格おめでとう。これからも、夢を現実にしていこうね!

 

(取材・文/くりもときょうこ)