卒業生x校舎長対談 卒業生x校舎長対談

小諸市の丸山葵さんは、2023年春から私立佐久長聖中学校に進学しました。

生き物が大好きで、作家が夢という丸山さんは、大学進学まで見据えて勉強の環境を整えたいと、中学受験を志望します。適当にこなすことが苦手な丸山さんでしたが、入学試験のために苦手も克服し、合格に十分すぎるほどの学力を身につけていきました。

丸山さんがどのように中学受験期を過ごしたか、丸山さんのお母様も交えながら、小諸駅前校の金井淳校舎長とともに振り返ります。

丸山葵さんのデータ

●出身小学校/小諸市立美南ガ丘小学校 ●これからの目標・夢/将来の夢は作家、生物学者。尊敬する人はレイチェル・カーソン(アメリカの生物学者。『センス・オブ・ワンダー』の著者)。太古の生物が好きで、特に好きなのは翼竜のケツァルコアトルス

小5・11月

10月の体験授業を経て、11月に入塾。当初は1回80分・週2回のペースで通塾

2月

佐久長聖中学校の適性検査型入試の対策をはじめる。月1回上田駅前校で中学受験用テストを受ける

3月

atama+(算数)の小学校範囲を終える

小6・5月

佐久長聖中学校の入試が教科型に変わったことを知って方針変更。理科と社会の小6ワークをはじめる

9月

夏休み明けから、「次世代型キャリア教育」プログラムの受講開始

11月

入学試験。合格発表は11月25日で、無事合格

12月

中学に向けてatama+で英語・数学の先取り学習をはじめる

3月

中1の夏休み前くらいまでの範囲を完了

中1・4月

寮生活のため、まつがくは一旦休むことに

8月

まつがくの夏期講習会に参加

1. 中学受験に向けて勉強の環境を整えたい

はじめから佐久長聖中学校を志望

金井

葵さんは、中学受験のために塾を探していたんですよね。

丸山

お父さんが「佐久長聖はどうかな」と言い出したのがきっかけです。塾を探してくれたのはお母さんです。

お母様

他の塾にも見学に行ったのですが、あまりにも受験合格に1点集中という印象を受けてしまって。まつがくの先生は、葵の好きなことに興味や関心を持って見てくださっているところがよかったですね。

金井

葵さんは、大学受験まで視野に入れて、勉強できる環境を整えたいということでした。最初の面談の時、アニメの「トムとジェリー」がきっかけでねずみの研究をしたいと言っていたのを覚えていますよ。今は、作家や生物学者に興味があるようですね。たしか、尊敬する人として生物学者のレイチェル・カーソンの名前が出ていましたが。

丸山

世界に貢献した偉人の本で知りました。

適当に答えることが苦手

金井

まつがくには、当初は1回80分で週2回通ってくれていました。atama+で算数、ワークで国語を進めてもらいました。

丸山

atama+はアタマ先生が面白かったです。算数は「速さ」のような文章題が苦手でした。

金井

葵さんは、国語の記述問題もそうでしたが、時間がなくなって結局白紙のまま出すということがありましたね。適当に勘で答えようというのが苦手。

丸山

時間配分がうまくいかないことがありました。

金井

未回答だとどうやっても得点にはならないからと、まずは回答を埋めることに慣れるようにがんばってもらいました。2月頃から、佐久長聖中の入試対策をはじめました。適性検査型で、文系問題と理系問題がそれぞれ50分という形式でした。何月何日にこれをやりましょうというロードマップがかっちり決まっている、中学受験用の映像授業システムをやってもらって、作文はテキストを使っていました。

丸山

映像授業は、算数が特に難しいと感じていました。

金井

確かに、算数は少し苦労しているようでしたね。文系の問題は割と楽しそうにやっていた印象があります。やることが増えたこともあって、このタイミングで通塾が週3回に増えました。

丸山

カリキュラムの中に組み込まれていたんですが、月1回、上田駅前校で1ヵ月の成果を見るテストも受けていました。試験本番の練習にもなりました。

金井

3月頃にはatama+の小学生範囲が終わりました。

丸山

一度リセットをかけて、2周目に取り組みました。1周目より早く終わるようになって。特に計算は速くなったと実感しました。先取り学習になったので、学校の授業がよくわかるようになりました。

金井

atama+の繰り返しは入試直前まで続けてもらって、苦手なところをピンポイントで再学習するのに役立っていましたね。

2. 入試の方式が変わっていた!

入試方法の変更は“大は小を兼ねる”勉強で対応

金井

小6の5月頃に、佐久長聖中の入試形式が変わったことに気づくというアクシデントが……。入試の説明会資料を読み返していて「あれっ?」と気づいたんです。狙っていた第1回本校入試が、適性検査型から4教科型に変わっていて、でも変更は来年からじゃないの?…と思って、何回も確認しました。何年も続いているものが急に変わるはずはないと…思い込みとは怖いものです。急いで方針を切り替えました。

丸山

理科と社会の小6ワークをはじめました。

金井

特に社会は、小5は地理、小6は歴史で覚えなければならない量が多い。小学校の授業はゆっくりめだったので、小6範囲は大変だったと思います。

丸山

暗記は苦手ではないのですが、量が多くてちょっと大変でした。

金井

ただ、もともと「大は小を兼ねる」勉強をしてもらっていたので、焦りはしたものの困らなかったのが幸いでした。

キャリア教育の狙い

金井

夏休みから過去問演習をはじめてもらい、入試本番までに4教科を9年分やりました。回を重ねるごとに得点できるようなっていましたね。過去の合格者得点率は約55%。葵さんは最初のうちは45%くらいでしたが、最終的には65~75%と合格に十分すぎるほど力をつけていました。

丸山

国語と理科は得意だったんですが、算数と作文がなかなか……。

金井

葵さんは、作文自体は得意なんですが、制限時間がネックでした。まず、自分の言いたいことを具体例とからめてまとめるという、作文の型を覚えてもらうことにしましたね。それに関連して、夏休み明けから「次世代型キャリア教育プログラム」の受講も始まります。

丸山

週1回で20回以上やりました。年上の人の意見が聞けたのが、とても面白かったです。

金井

「自分で考え、動く力」を身につけるために、いろいろなテーマに沿って、自分の考えを文章にまとめたり、グループワークをしたりするプログラムでした。これは、「勉強の本来の目的を明確にする」ことと、「国語力(表現力)を身につける」狙いがありました。アウトプットと文章トレーニングにもなるので、作文のレベルアップに役にたったのではないかと思います。

3. 自分の好きなことを追いかけてほしい

自分で報告したい

金井

11月が入試本番でしたが、直前に修学旅行があったんですよね。

丸山

1泊2日で東京に行きました。東京ドームシティや浅草寺、東京タワーを巡り、劇団四季のミュージカル『ライオンキング』も観ました。

金井

盛りだくさんでしたね! 11月18日が入試でしたが、当日はどうでしたか?

丸山

緊張はあまりしませんでした。

金井

私はあんまり心配していなくて、強いて言うなら得点に波のあった算数くらいでした。遅れて始めた社会も得点が安定していましたしね。お母様は、お子さんが初めての入試でしたが、いかがでしたか?

お母様

実は家ではあまり勉強が捗らず、よく葵とケンカしていました。葵は私のことを妹だと思っているようなところがあって、まるできょうだいゲンカのようでした(笑)。

金井

そうだったんですか(笑)。

お母様

葵は、よく指導してくださっていた石井先生を慕っていて、「今日は石井先生がいなかった。辞めちゃったらどうしよう!」と心配していることもありました。

金井

石井先生は作文で具体的な話を引き出すのが上手で、葵さんに「テーマとこうつながるよね」と分かりやすく説明してくれていたのを覚えています。

お母様

11月25日の合格発表の日は、葵から「先生にも自分で報告するから、合格通知は絶対に先に見ないで!」と言われていました。

丸山

ホームページには朝から公表されていたんですが、学校から帰ってお母さんと一緒に見ました。

金井

あの日は、私は朝からソワソワしていました。葵さんから直接報告してもらって、ホッとしましたよ。お母様からもメールをいただきました。

中学校は寮生活でスタート

金井

12月からは、中学進学に向けてatama+で英語と数学の先取り学習をはじめてもらいました。特に数学は、カリキュラムが特殊で進度も速いので、重点的にやってもらいました。

丸山

3月までに中1の夏休み前くらいまでの範囲を終えることができました。

金井

4月からは寮生活になって、まつがくも一旦お休みになりました。先日の夏期講習会で久しぶりに会ったら、4ヵ月会わなかっただけで、表情が大人びて受け答えもしっかりできるようになっていて、驚きましたよ。寮生活はどうですか?

丸山

部屋はふたり一部屋で、同学年の違うクラスの子と一緒です。寮では、1年生から3年生まで、1時間半の学習会を毎日やっているんです。今はだいぶ慣れました。食事もおいしいです。

金井

学校のテストでは、社会で学年トップを取ったと聞きました。数学も安定してきたし、総合でも学年5位で、上々の滑り出しですね。将来の夢は変わりませんか?

丸山

相変わらず生物は好きです。どこの大学に行きたいかまではまだはっきり決まっていないです。

金井

葵さんは、自分の好きなことをしっかりやっているので、将来はそれを生かした職業に就いてくれるといいなと思っていますよ。これからも、応援していますよ!

 

(取材・文/くりもときょうこ)