卒業生x校舎長対談 卒業生x校舎長対談

まつがく長野運動公園校に通っている竹花航輝さんは、信州大学教育学部附属長野中学校(以下、信大附属中)に合格しました。

所属している野球のクラブチームで、かっこいいなと憧れる大人はお医者さん。自分も医師になりたいという夢を持ち、長野高校への高い進学実績を誇る信大附属を目指すことに。受験勉強は順調な滑り出しでしたが、後半は疲れが出てスランプに陥ります。

合否の確率はフィフティ・フィフティ。予断を許さない中でも積み重ねた学力は揺るがず、力を出し切ることができました。竹花さんの中学受験を見守っていた徳武孝二校舎長と受験期を振り返りました。

竹花航輝さんのデータ

●出身小学校/長野市立朝陽小学校 ●これからの目標・夢/将来の夢は医師

小5・2月

2月初旬に入塾。平日は毎日通塾し、2~3時間ほど学習

小6・4月

atama+算数の小学校内容をコンプリート。作文は週1回のペースで取り組む

5月

模試「まつがくEXテスト」を受けて6割得点

7月

小5範囲を中心に演習してきた理科・社会がほぼ完成。atama+算数は確認テストを繰り返す

9月

本格的な面接練習をはじめる

10月

2度目のEXテストでは点数を大幅に落とす。面接練習は話す内容がブレるように

11月

基礎問題の確認と反復練習で追い込み。今までの模試の過去問などを何度も解く。面接練習は週2回、直前期は毎日行う。11月25日に信大附属中の入試

12月

無事合格。通塾ペースを落とさずに、中学英語・数学の予習をはじめる

1. 医師になりたくて中学受験を考えた

atama+に興味があった

徳武

航輝くんは、まつがくの前にも塾に通っていました。

竹花

小4から週2,3回通っていました。自主学習が基本で、分からないことがあれば先生に聞くという感じでした。その時はまだ中学受験は考えていなくて、学校の勉強だけだと不安だなと思って通っていました。

徳武

まつがくに来てくれたのは、何が決め手になったのかな。

竹花

atama+をやってみたいなと思ったのがきっかけです。atama+に加入していて一番近いところがまつがくでした。

徳武

そうだったんだね。中学受験はいつ頃から考えたのかな。

竹花

小学5年生の春くらいからかな。

徳武

まつがくに入ってくれたのが2月だから、その頃だね。長野市は受験できる中学が何校かあるけど、志望校を信大附属にした理由を教えてくれるかな。

竹花

別の中高一貫校も考えたんですけど、長野高校に行きたい気持ちがあったので、それなら中学まで信大附属がいいなと思って決めました。

徳武

航輝くんはまつがくでは平日は毎日来て、2,3時間学習していました。前の塾は週2,3回だったそうだから、大変だったんじゃないかなと思います。

竹花

もっと勉強ができるようになって、進路の可能性を広げたいと思っていたので、あまり苦になりませんでした。

徳武

やる気もあるし、もともと勉強はできていたと思うんだけど……。

竹花

勉強は、まだちょっと苦手意識があります。

徳武

そうなんだね。

前倒しで理想的なスタートを切る

徳武

まつがくに入って最初の頃は、どんな感じでしたか。

竹花

どんどん勉強ができるようになっている手ごたえがあって、すごく集中できました。

徳武

それはよかった。最初はatama+で算数をやっていたね。2月からはじめて4月にはもう小学範囲を全部終えていました。

竹花

はい。

徳武

航輝くん、がんばっていたよね。もともとの能力もあるけれど、毎日来てしっかり学習していたのが大きかったと思います。信大附属を目指すための基礎学力としては、それくらいのスピード感で処理できる能力は必要なので、いい滑り出しだなと思って見ていました。作文対策も、通常より早かったよね。

竹花

6年生になってからはじめました。週1回、作文の問題集から問題を出してもらって、宿題でやっていました。

徳武

いろんなテーマを出して、それに対して航輝くんの考えを書いてもらうというものでした。作文はまず言語化する、アウトプットする訓練が必要です。受験は基礎学力を固めるのが先決で、作文はもうちょっと後にやることが多いんだけど、航輝くんは基礎学力を早く固められたので、作文も早く着手することができました。

苦手意識のある理科はワークで対策

徳武

小6の5月にまつがくの内部模試に挑戦してもらって、この時点で6割得点できていました。理科がちょっとよくて、あとは大体6割くらいで割と安定しているなという印象でした。でも、航輝くんは理科が苦手なんだよね。

竹花

植物とか覚えなきゃいけないところがいっぱいあるのに、なかなか覚えられなくて。

徳武

社会は得意だったよね。

竹花

歴史とか物語があって好きです。暗記が苦手なんだと思います。覚えたはずなのにテストになると「あれ?」みたいな。

徳武

理科と社会を本格的にはじめたのは、atama+の算数の1周目が終わった小6の4月頃からかな。

竹花

5年生の問題が中心に出るので、5年生のワークに取り組みました。

徳武

普段の授業にタイミングよく組み込めたのはよかったです。そして2か月経った7月には理科・社会が固まってきて、すごいよね。急ピッチでやっていました。

竹花

できるようになったぞ、と感じることが増えました。

徳武

理科・社会のワークは、夏までに1周やって、その後も2周くらいしたかな。間違えたところだけピックアップしてやって。

2. スランプに苦しめられた後半戦

疲れが出て集中力に欠けるように

徳武

前半、すごくいいペースで進めていたんだけど、10月の模試で点数を落として、面接も安定感がなくなってきていました。模試は範囲外の出題だったので仕方なかったかなと。航輝くんとしては、この時期どうでしたか。

竹花

がんばらなきゃと思っても、疲れてうまくできないことが増えました。面接もいまひとつで、もう少しがんばらなきゃなという感じでした。

徳武

私から見ても疲れが感じられて、集中力に欠けていましたね。11月下旬が入試ですから、いちばん追い込まないといけない時期ですが、なかなか。もちろん塾には毎日来て、 同じように席に座って勉強はしているんですけれども、本当に疲れているなという様子でした。

面接については、夏休み明けから週2回続けてきていて、もうすぐ本番だからということもあって、私も含めて複数の先生が面接練習をやっていました。いろんな先生からアドバイスを受けることになって、そこで混乱した部分もあったんじゃないかと思います。そこは私の反省点でもあります。でも学習計画は予定通り進んでいて、航輝くんも遅れている感覚はなかったでしょう?

竹花

なかったです。ずっと前倒しでできていました。もうやることが終わったから、次何をやろうかということが多かったです。

徳武

言われたことはちゃんとこなしてくれていたし、渡した課題も期限より早く終えて持ってくることが多かったです。スランプの時期、航輝くん自身とてもつらかったと思うんだけど、どんなふうに気持ちを保っていましたか?

竹花

絶対合格するためにがんばろうと決意していたので、なんとかがんばれました。

徳武

自分で決めたことはやり抜く気持ちが強いんだね。

竹花

はい。あと、「これが終わったらこれができる」とごほうびをつくっていたのもよかったです。ゲームができるとか、トレーディングカードのパックを買えるとか、自分の好きなことをごほうびにしていました。

徳武

その話は初耳です! 航輝くんのいいところは、私たちのアドバイスや「こういう風にやっていこう」という指示だけでなく、今自分に必要なことを考えて選べる“自走力”を持っているところです。だから、スランプでもある程度信頼して見ていました。

ひとつ覚えているのは、スランプの時は学習が少し雑になっていたことでした。一般的に学習のスピードが速いお子さんは、その分丁寧さに欠けるきらいがあります。基本に立ち返って丁寧な学習を心がけるようにしようと話したのを覚えています。

竹花

11月に入ってからは、追い込みでした。

徳武

atama+で確認テストを反射的に答えられるようになるまでやりましたね。標準的な問題、取らなきゃいけない問題をしっかり取れるように、ケアレスミスをなくす練習です。あとは、習熟度を見るための学力判定テストのような感じで演習をやってもらっていました。

竹花

面接は9月からはじめました。週2回から始めて、直前は毎日のようにやっていました。

徳武

試験が近くなってくると、どうしても模試のやり直しや予想問題の演習に時間を割かなければならないので、まずは面接で聞かれる内容を自分で書いてみることからはじめてもらいました。面接も後半になって急に詰め込むよりは、早めにコツコツやったほうがいいと経験上感じています。

かっこいい大人に憧れて

徳武

航輝くんは野球が好きですね。

竹花

はい。11月も平日は毎日まつがくに通って、土日は野球をやっていました。シーズン最終戦だったので、チームみんなで盛り上がっていた。

徳武

受験勉強も野球も、どっちもがんばっていましたね。そういえば、航輝くんの将来の夢はお医者さんですが、どういうきっかけだったんですか?

竹花

野球チームで信大附属に合格した先輩のお父さんでお医者さんがいるんです。その人に憧れたのと、病院に行くとやっぱりお医者さんはかっこよくて、それでお医者さんになろうと思いました。信大附属に合格したことで、夢に一歩近づいた、これならいけるかもしれないと思って、改めてがんばってお医者さんになろうと思っています。

徳武

へえ。野球チームの先輩のお父さん、かっこよくて尊敬できる大人なんですね。

竹花

優しい性格だけど情熱的で野球もうまくて、しかも医者だなんてかっこいいです。

徳武

航輝くん自身もすごく優しいですよ。同じくまつがくに通っている小3の妹さんの面倒もしっかり見てくれていますから。

合否の確率はフィフティ・フィフティ

竹花

受験は11月25日でした。けっこう緊張していました。

徳武

はたから見ていると、そこまで緊張してガクガクしている感じではなく、普段通りの様子に見えていました。見学や説明会には行っていたんですよね。

竹花

はい。

徳武

航輝くんと同じ朝陽小から受験する人は何人くらいいたんですか?

竹花

10人くらいです。

徳武

受験会場に行くと、知っている人がいた?

竹花

それがけっこう人数が多くて、みんな受験番号がバラバラだったので、会えなかったんです。

徳武

知っている顔を見たら多少緊張がほぐれたかもしれないね。試験の手ごたえについては、受験レポートで一度書いてもらっているけど、改めて話してもらっていいかな。

竹花

学力テストは「解けるぞ」という感じで、作文はちょっと不安だったけど書けました。面接も自分ができることを精一杯がんばれたと思います。

徳武

そうそう、筆記試験はできたと言っていましたね。とはいえ私の立場としては、安心できるわけではない、ふたを開けてみるまで分からないという思いがありました。少し調子が落ちていたのがやはり気になっていました。1学期の様子だと7~8割以上は行ける感覚があったんですが、後半のいちばん詰めていかないといけない時期に疲れが見えていたので、航輝くんのお母さんとお父さんには「フィフティ・フィフティです」とお伝えしていました。

3. 勉強に対する姿勢が変わった

周りの応援に支えられて

徳武

合格発表は1週間後くらいに封書で届きます。航輝くんはその日、学校でしたよね。

竹花

家に帰って、僕が初めに見ました。合格していて、めっちゃ気分が上がって、これから勉強がんばらなきゃなと思いました。

徳武

すごいね。もう次のことを考えていたんだね。合格発表の日は、私は受験した方に1件1件お電話していました。航輝くんのお宅に電話したらお母さんが出られて、「受かりました」と仰っていて、本当にほっとしました。家族でお祝いはしましたか?

竹花

春休みにお祝いで卒業旅行に行きます。はじめに予定していたところから東京に変更して、にぎやかにやろうという話になっています。

徳武

東京で行きたいところはどこですか?

竹花

渋谷でハチ公を見てみたいです。

徳武

楽しみですね。受験では、お父さんも面接の練習をがんばってくれましたよね。信大附属は願書を出す時に、親子面接があるんですよね。

竹花

お父さんは張り切ってひとりで深夜まで面接の猛練習をしていて、すごいなと思って見ていました。

徳武

お父さんもお母さんもとても協力的でしたよね。毎日の送迎ももちろんですが、私にいろんなことを質問してくれて、能動的に航輝くんのことを考えて、何がいちばんいいかということを常に考えていらっしゃるご両親でした。合格はとても喜んでくれたでしょう。

竹花

合格通知を見た瞬間、お父さんはLINEを送りはじめて、家族全部大騒ぎで「おめでとう」と言ってくれました。受験の前から、近所の中1の人に「俺は(信大附属)落ちちゃったけど、お前ならできるからがんばれ」と熱い言葉をかけてもらっていました。本当にいろんな人から支えられたと思っています。自分もすごく嬉しかったけど、いろんな人に喜んでもらえたから、勉強を続けてよかったです。

 

合格後も学習の手は緩めない

徳武

合格直後から、atama+で中学の数学と英語をはじめてもらいました。

竹花

英語が心配です。今、がんばって進めていますが、しっかり覚えられているかなというのが不安で。

徳武

合格しても油断せず、しっかり週5ペースで通っているのが素晴らしいですね。航輝くんが中学受験をしたのは、将来の夢を実現させるため。合格は通過点だってことをいつも話しています。

竹花

不安はありますけど、順調に進んでいるのは嬉しいです。

徳武

英語については、お父さんも心配していて「英語の比重を多くしてください」と言われています。毎年そうなんだけど、中学受験に合格した人には中学校のテストの過去問をやってもらって、中学のレベルを体験してもらいます。そこで浮かび上がった課題を春休みに解消して中学に入学しようという流れです。中学でも野球は続けますか?

竹花

勉強に余裕があればですが、シニアのクラブチームか軟式野球のクラブチームに入りたいです。

「継続は力なり」は本当だった

徳武

まつがくに通うようになって、勉強に対する姿勢が変わったと言っていました。どのあたりで自分が変わったと思いますか?

竹花

まつがくに通う前は、「これ、やりたくないな」と勉強を嫌なものだと思っていました。まつがくに入って学習がどんどんクリアできるようになってから勉強は楽しいと思えるようになって、もっとやりたいという風に変わりました。

徳武

来年、中学受験する人に、航輝くんからアドバイスやメッセージをもらえますか。

竹花

中学受験を通して、「継続は力なり」という言葉は本当にその通りだと思いました。来年の受験生もぜひがんばってほしいです。僕は中学に入ってもまつがくを続けます。

徳武

合格してすぐ、中学に向けて気持ちが切り替わったのは本当にすごいなと思って見ています。航輝くんは長野高校に行きたいという次のステップがしっかりしているので、私はその実現のためにしっかりサポートしていければと思っています。がんばってやってきましょう!

 

(取材・文/くりもときょうこ)