卒業生x校舎長対談 卒業生x校舎長対談

茅野市立東部中学校に通っていた山田菜摘さんは、成績を上げたいと中1の春休みにまつがく茅野校へ入りました。
ほどなくして予習ペースになり、勉強は学校とまつがくだけで完結できるまでになりました。校舎長の宮原先生も「スランプらしいスランプはなかった」と証言するように、順調に高校受験期を迎えます。

しかし本人は、直前まで本当に合格できるのだろうかという不安が拭えなかったと言います。最後まで「大丈夫だよ」と伝え続けた宮原先生とともに、晴れて志望校に合格した山田さんの受験期を振り返りました。

山田菜摘さんのデータ

●出身校/茅野市立東部中学校 ●将来の夢/食品メーカーで新商品開発をやってみたい

中1・3月

春期講習を経て入塾。通塾ペースは週2,3回

中2・3月

家を引っ越してまつがくが近くなったのを機に、まつがくを勉強部屋として通塾ペースを上げる

中3・4月

MICで食品メーカーに興味があり、特に新商品開発に関心があると話す

6月

卓球部の大会に向けてハードな練習が続き、しんどいながらも通塾は続ける

7月

・atama+で中学範囲の勉強(レベル1)を終了し、レベル2,3へ進む
・三者懇談で、両親の実家がある九州の大学はどうかという話が出る。九州大学農学部で大学院まで進学する目標に変更する

9月

夏休み明けの模試で少し調子を落とす

10月

文化祭が終わり受験勉強を本格化させる。数学のケアレスミス対策や英語のリスニングといった弱点を重点的に強化する

1月

学校の最後のテストで学年11位に

2月

志望校は直前まで迷う。諏訪清陵高校に決めて受験本番に臨み、合格。合格後は高校の先取り学習を進める。現在考えている将来の夢は、食品メーカーのマーケティング

高1・4月

諏訪清陵高校に入学して部活は卓球部に入る。疲れた時以外はほぼ毎日まつがくに来て学習を続けている

1. まつがくを自分の勉強部屋に

部活や生徒会と両立しながら

宮原

菜摘さんは中1の時に埼玉県から引っ越してきたんですよね。まつがくに入ろうと思ったきっかけを、改めて話してもらえますか?

山田

塾に行ったことがなくて行ってみたかったのと、成績を上げたかったからです。いくつか見学してみて、曜日も時間もフレキシブルなまつがくがいいなと思って、春期講習を体験して入塾しました。

宮原

菜摘さんはすごく真面目だなという第一印象から変わらないですね。お母さんとの懇談で、一生懸命やってくれるし、菜摘さんはかわいくてしょうがないんですよねという話をしました。

山田

(笑)

宮原

お互いの家の話もよくしているね。

山田

家で何を食べているか話していますね。

宮原

atama+を初めてやってみた時、どうでしたか?

山田

すごくわかりやすかったです。

宮原

僕らが教えるよりわかりやすいでしょう。

山田

それはわかんないですけど(笑)。動画だし、好きなところで止められるじゃないですか。そこがすごく便利だなと思いました。

宮原

卓球部で忙しかったから、まつがくに来るのは当初、週2,3回のペースでした。

山田

私は部長だったので、部員のやる気を出すなど表立ってやらないといけないことが多かったですね。

宮原

生徒会もやっていたしね。

山田

中1の頃は生徒会長をやりたいなと思っていました。でも文化祭を盛り上げたい気持ちもあって、だったら文化祭の実行委員長になりたいなと思ってたら、本当になれました。

宮原

菜摘さんはアイデアを出したりみんなを盛り上げたりするのが好きだし、向いているよね。

山田

どうでしょう。長というポジションは結構好きですが、まとめるのは得意ではないですね。私の父は学生時代に生徒会長に立候補して当選したんですね。ただ父は結構やんちゃな人で、先生が「お願いします、会長になるのはやめてください」と直談判してきたらしいんです。やんちゃだけど人望はある父に憧れる気持ちがありましたね。

宮原

お父さんは楽しい人なんですか。

山田

いつもボケてますね。母がツッコミ役で、でも父のボケに気づくのが遅くて。時間が経ってからようやく「えっ、これダメじゃん」ってツッコんでいます。

真面目すぎて問題が!?

宮原

最初はatama+で英語と数学と理科をやっていました。

山田

好きなのは理系科目ですけど、得意かと言われたら、そんなに得意じゃないかな。

宮原

数学がメインで、理科ははじめの頃は苦手だったんだよね。

山田

最後のほうで点数が伸びました。

宮原

やったことはしっかり身になっているなと感じました。本当に、超がつくほど真面目すぎちゃって。

山田

塾でだけです。

宮原

こんなに真面目なら家でもしっかりやっているんだろうとずっと思っていたんですが、三者懇談で実は違っていたことが発覚して。

山田

家では全くやらない人です。欲に負けていました。睡眠欲もだし、スマホを見たいとか。

宮原

学校とまつがくの勉強だけでいい成績をキープしていたんだから、それはそれですごいよね。テスト前は詰め込みでやっていた?

山田

最初の頃はそんな感じでやっていたんですが、だんだんまつがくの勉強だけでテスト勉強もカバーできるようになって、余裕ができました。

宮原

実際、すぐに予習ペースになっていましたからね。ただ、真面目さが仇になるというか、完全に理解しないと先に進んでくれないところがありました。かなり根気強く「先に行ったほうが楽だよ」と何度も話をして、少しずつ理解してもらって。

山田

流れでやっていって、途中で「あれ、これなんだっけ?」となるのが嫌で。戻ればいいんですけど、戻るのも気が進まないというか……。納得してから進みたいという気持ちがありました。

宮原

受験直前の頃は高校の数学もやってもらっていました。中2でやる数学の確率は、高校数学の順列組み合わせを知っていると計算で簡単にできるよね、と実際に体感してもらって、あとはそれが点数につながることも理解してもらって。

山田

前のatama +は確認テストで間違えると合格が取り消されていましたが、今は確認テストで間違えてもリトライ機能があるのでそこで正解すれば合格に戻ります。

宮原

今はリトライとして確認テストがあるので。やった後に間違えても、確認テストですぐまた合格できる。菜摘さんに「そういう風にして確認、復習もできるんだよ」という話はしましたけど。なかなか頑固なお嬢さんなので(笑)。中2の春休みに家を引っ越して、まつがくがとても近くなりました。

山田

徒歩で1分かかるかかからないかくらいの距離です。

宮原

さっき話した家で勉強していないという話につながるんだけど、だったらまつがくを自分の勉強部屋だと思っておいでよという話をしました。

2. 夢は変化しても受験はブレずに

検察官からお菓子メーカーの商品開発に

宮原

そういえば、入塾した当初の将来の夢は検察官でしたね。

山田

『HERO』というドラマを観て、法律に興味を持ったのがきっかけです。

宮原

検察官はちょっと珍しいなと思って理由を聞いたら、「自分は曲がったことが嫌いだから」と言っていたのが印象に残っています。それで、高校は諏訪清陵高校で、大学は一橋大学の法学部を目標にしようと。

山田

検察官はかっこいいなと思って。でも学校の職業体験で裁判所に行ってみたら、あまりにも雰囲気が怖すぎて、もうちょっと楽しい感じがいいなと考えが変わりました。

宮原

中3になってからのMIC(まつがく・インディビジュアル・コーチング)で、食品メーカーに興味があるという話が菜摘さんから出てきました。

山田

小学校の頃からお菓子が大好きだったので、携われたら嬉しいなという思いがありました。好きなメーカーはロッテで、「コアラのマーチ」とか好きです。ちょうどテレビでお菓子ランキングをやっていて、それもきっかけかもしれません。コンビニスイーツ3社対決とかも好きで。お菓子メーカーを調べたこともありました。

宮原

初めて聞いた時は、検察官とはまったく方向性が違ったので驚きました。それで、じゃあ大学はとなった時に、ご両親の実家がある九州が浮上してきました。

山田

いずれは九州に帰りたいという思いがあるみたいで。母が熊本、父は宮崎出身です。

宮原

だったら九州大学の農学部がいいんじゃないかと。これは僕のほうで調べて菜摘さんに話をしました。九州大学はメーカーとの共同開発をやっていて、そこからその企業に就職という流れがあるようなんです。 お母さんも、九大に行ってくれれば言うことないですよね、と仰っていました。

最後まで不安だった受験期

宮原

卓球部は6月頃に大会があって、その頃は結構キツそうにしていました。休憩時間はぐったりしているし、勉強中も寝落ちしそうでした。

山田

引退試合まで毎日やっていましたね。そのあと9月末の文化祭に向けて忙しくなって。受験勉強を本格的にはじめたのは10月くらいから……?

宮原

とはいえ夏から受験対策はやってくれていました。毎週土曜日の受験対策トレーニングもやっていたし。部活や文化祭の準備で疲れている中でもちゃんと来て勉強して、模試の点数もそれなりに取れていたからね。僕としては、最初から変わらず諏訪清陵は問題なく行けるよね、問題はその後だよねという話をしていました。実際、中学範囲の学習は中3の夏には終わっていました。atama+のレベル1かな。

山田

そこからレベル2,3と進めて。

宮原

秋口くらいにケアレスミスの対策をはじめました。

山田

ケアレスミスが多かったんですよね。

宮原

時間を他の生徒よりも5分短縮して問題を解いてもらっていました。数学の計算のスピードを上げること、早く正確に文字を書く練習になると考えたからです。また自分のできる問題とそうでない問題を短時間で区別する訓練をしたいという意図もありました。じっくり型だけど、意外にそそっかしいところもあって。あとは英語のリスニングを重点的にやっていたかな。そうだ、国語と社会の話をしてなかったですね。

山田

社会は『新研究』や『ワーク』をずっといやっていました。国語は大の苦手で……。ひたすら過去問で、長野県の高校入試の過去問5年分を何回か繰り返して解いていました。

宮原

国語に関しては、足を引っ張らなければいいという戦略だったね。それに、夏から毎週の受験対策でも国語の問題をやっていたので。模試も受験対策トレーニングにパッケージされているものや、まつがくEXテストなど受けてもらっていました。判定は……。

山田

Cでした。

宮原

ただ、合格率は50%くらいで低くはなかった。これまでの経験で、60%まで上げられれば大丈夫だと思っていたので、「もうちょい上げればいいよね」という話をしました。もしかして、最後まで不安だったというのは模試の判定がCだったから?

山田

そうですね。模試は最後がいちばん良かったので、それまではどうしても不安でしたね。

宮原

菜摘さんはこちらが想定している通りにやってくれて、高校受験のペースとしては危なげない感じで推移していましたよ。スランプらしいスランプは、あったかな?

山田

夏休み明けじゃないですか? 私、長期休み明けは大体成績が悪くなっていたので。

宮原

そうだった。そこはみんな苦労するところだよね。模試の問題の傾向も変わるし。最後の冬休み後はさすがに調子を落とさずに進んでいましたね。

3. 菜摘さんが落ちるなら受かる人はいない

キーボードを弾いてリフレッシュ

宮原

入試目前の頃は、学力がついてきた手ごたえはありましたか?

山田

あったかな~? でも、そうですね、学校でのいちばん最後のテストは学年で11位だったので。受験を意識した、模試に近い内容でした。

宮原

最後、本当に盛り上げてきていましたね。

山田

でも、直前は自分的にはけっこう苦しかったです。ほぼ毎日来て勉強して。

宮原

僕としては、心の底から「いや、本当に大丈夫だよ」と思っていました。だから、合格するしないよりも「高校に行ったらこういうことが必要だから、受験が終わったらやっちゃおう」という話をしていました。

山田

照準は受験を超えたところにありましたね。

宮原

「菜摘さんが落ちたら受かる人いないよ」という話をしたりして。受験勉強の息抜きはどうしていたんですか?

山田

受験直前はずっと、クリスマスプレゼントで買ってもらったキーボードを弾いていました。

宮原

ええっ!? それは初めて聞きましたよ。しかも受験前のタイミングでキーボード……。

山田

中1のクリスマスプレゼントです! 買ってもらったのに全然いじってなかったので、暇つぶしにと思って。

宮原

受験前は暇じゃないじゃない(笑)。

山田

あ、リフレッシュです。いちばん弾いていたのは、ベートーヴェンのピアノソナタ「月光」の第1楽章です。

宮原

へええ。ピアノをやっていたんだね。

山田

いえ、ピアノは習ったことないです。幼い頃は子ども向けのちっちゃいピアノで、耳で聞いて弾けていたんですね。今はもうできないですけど。楽譜も読めないので、スマホのアプリや動画を暗記して弾いています。

宮原

いや、驚きました。

直前まで志望校を迷っていた

山田

実は、願書を出すギリギリまで諏訪二葉高校と迷っていたんです。

宮原

ええっ!? それも初耳ですよ。

山田

宮原先生は「大丈夫だよ」と言ってくれていたんですが、自分の中では本当に諏訪清陵で大丈夫なんだろうかと迷っていました。やっぱり諏訪清陵のほうが難しいので。

宮原

このエリアではトップ校だからね。

山田

しかも本番ではやらかしてしまって……。

宮原

理科が難しかったからね。菜摘さんは理科が得点源になっていたからね。試験の後に「菜摘さんが難しく感じたんだったら、みんなできてないよ。全体の点数も下がるかもしれないけど、他の教科でよっぽどやらかさない限りは心配ないよ」と話したのを覚えています。

山田

試験の後は、解放されたという気持ちと、それでもやっぱり不安なので、まつがくに来て勉強を続けていました。

宮原

高校は、まずは数学と英語に注力してやっていこうと話をしていたからね。

山田

合格発表の日は、私は直接見に行きました。

宮原

点数開示もしてもらってね。

山田

内訳は違っていましたが、合計点数は自己採点とぴったりで驚きました。

宮原

僕もネットで合格を確認していました。お母さんからLINEもいただいて。合格は心配していなかったので、どれくらい点数を取れたかに注目していました。ご両親もすごく喜んでくれたでしょう。

山田

父は仕事にならなかったって言ってました。すごくニコニコしているから、会社の人から「何ニヤニヤしてるんだよ」って突っ込まれたみたいです。

宮原

家族でお祝いはしましたか?

山田

それがまだなんです。茅野駅の駅前に行きたい居酒屋があって、そこに連れて行ってもらうのがお祝いです。料理がすごくおいしいお店なんです。

宮原

それは、お酒を飲めるようになるまで待たされるかもね(笑)。

山田

まだお酒は飲めないですけど、おつまみは大好きです。やっぱり食べることが好きですね。

高校は入ってからが……

宮原

高校も卓球部を続けています。

山田

キツくはないですが、練習メニューは結構しっかりしています。

宮原

まつがくにも、毎日2コマ来てくれています。受験前の習慣が定着している感じですね。

山田

そうですね。疲れた時はお休みしますが。

宮原

高校に入ってもいいペースで学習を進めてくれているので、これからは文系・理系の選択ですね。数学をどうするか、社会や理科は科目選択をどうするか、将来進みたい方向で変わってくるので。あとは現状の学力を把握するために模試を受けてもらって、どういう風に進めていくか話をしていく感じですね。九州大学を目標にするにしても、やはりレベルは高いですから、しっかりやらないといけないことには変わりはないです。将来の夢もまた少し変わってきたんだよね。

山田

お菓子の商品開発だけでなく、年代・性別・地域で何が売れているのかというデータの研究にも興味が出てきました。

宮原

マーケティングですね。食品メーカーはとても幅広いので調べるのがなかなか大変ですが、話すのは楽しいですよね。菜摘さんから、これから高校受験する人たちにメッセージはありますか?

山田

もうちょっと勉強しとけばよかったかな。高校は入ってからが結構エグいので。諏訪清陵は進度も速いし、附属中から来た人との学力差がすごくて。学年1位の人は数Ⅲまでやっているらしいんですよ。中学から持ち上がりの人たちは、そういう人ばかりです。あとはメンタルですね。メンタルが強ければいけると思います。

宮原

だから先に進んだほうがいいよって言ったじゃん(笑)。

山田

ほんとですね(笑)。

宮原

言いたいことは全部言ったかな? 「あまり毎晩の食事のことを聞かないでほしい」とか(笑)。

山田

この間も話しましたね。

宮原

「今日は何を食べてきたの?」「今晩はお父さんのリクエストのナポリタン」「じゃ僕もナポリタン作って食べようかな」みたいな感じですね。3年後もこんな風に合格の話ができるといいですね。引き続きがんばりましょう!

 

(取材・文/くりもときょうこ)